【週報】2026年11月7日号:英中銀が利上げ、強い米雇用統計でドル円は158円台半ばへ切り返し
この記事を読むとこうなります
→ 今週のドル円・ユーロドル・ポンド円・ゴールド・ビットコインのトレンドが週足・日足・4時間足で一目で分かります
→ 英中銀の利上げや強い米雇用統計など、今週の値動きを左右した材料が分かります
→ 米CPIを控えた来週の相場シナリオ(メイン・サブ)と重要経済指標が分かります
⚠️ 本レポートは執筆時点の相場情報です。相場は経済指標の結果・要人発言・地政学リスクなどによって方向性が急変することがあり、記載のトレンドや見通しは将来の値動きを保証するものではありません。取引は必ずご自身の判断と責任で行ってください。
今週のトレンド一覧
移動平均線の並び(パーフェクトオーダーなど)とダウ理論による高値・安値の切り上げ/切り下げ判定をもとにした、主要5資産の週足・日足・4時間足のトレンド状況です(2026年11月7日時点)。
| 資産 | 時間軸 | 価格 | 移動平均トレンド | ダウ理論 |
|---|---|---|---|---|
| USD/JPY | 週足 | 158.498 | レンジ | 下降トレンド継続 |
| 日足 | 158.498 | 上昇バイアス | 上昇トレンド継続 | |
| 4時間足 | 158.498 | 上昇トレンド(パーフェクトオーダー) | 拡大レンジ | |
| EUR/USD | 週足 | 1.11355 | 下降バイアス | 下降トレンド継続 |
| 日足 | 1.11355 | 下降トレンド(パーフェクトオーダー) | 上昇トレンド継続 | |
| 4時間足 | 1.11355 | 下降バイアス | 下降トレンド継続 | |
| GBP/JPY | 週足 | 211.567 | 下降バイアス | 下降トレンド継続 |
| 日足 | 211.567 | 上昇バイアス | 上昇トレンド継続 | |
| 4時間足 | 211.567 | 下降バイアス | 拡大レンジ | |
| GOLD (XAU/USD) | 週足 | 4070.75 | 下降バイアス | 下降トレンド継続 |
| 日足 | 4070.75 | レンジ | 拡大レンジ | |
| 4時間足 | 4070.75 | 上昇バイアス | 上昇トレンド継続 | |
| BTC/USD | 週足 | 75948.68 | 上昇バイアス | 上昇トレンド継続 |
| 日足 | 75948.68 | 下降バイアス | 拡大レンジ | |
| 4時間足 | 75948.68 | 下降トレンド(パーフェクトオーダー) | 拡大レンジ |
※価格はMT5(XS Fintech)のデータに基づき、日足はUTC基準で区切っています。TradingView等の他チャートとは表示タイムゾーンや参照取引所が異なるため、数値が多少異なる場合があります。
ドル円は、4時間足で移動平均線が上向きにそろう「パーフェクトオーダー」となり、日足でも上昇バイアスが続いています。別の指標で見ても日足・4時間足は買い優勢の評価で、短期の上向きという点では見方がそろっています。一方、週足は移動平均がレンジ、ダウ理論では下降トレンド継続の判定で、他の代表的な指標では週足も「買い」寄りとなっており、長い時間軸では評価が割れている状況です。158円台はまだ上値を試している途中で、上昇基調が定まったとまでは言い切れません。
ユーロドルは、週足・4時間足で下降バイアスと下降トレンド継続が重なり、日足でも下降のパーフェクトオーダーです。テクニカル面でも週足から4時間足まで「売り」〜「強い売り」の評価が並び、トレンドの強さを示すADXも日足で高めです。日足のダウ理論だけが上昇トレンド継続を示しており、戻りの余地は残るものの、全体としては下押し圧力が強い形です。
ポンド円は、日足が上昇バイアス・上昇トレンド継続である一方、週足と4時間足は下降バイアスで、時間軸によって向きが分かれています。他の指標でも週足・日足は「買い」、4時間足は「中立」と、短期で勢いが落ちている点が読み取れます。ゴールドは週足が下降、日足がレンジ、4時間足が上昇と、大きな流れの弱さの中で短期的に持ち直している形です。ビットコインは週足こそ上昇バイアスですが、日足・4時間足は下降寄りで、4時間足は下降のパーフェクトオーダーとなりました。テクニカル面ではすべての時間軸が「売り」の評価で、週足については自前の判定と評価が割れています。
主要中銀の政策金利と金利差
米国(FRB):10月28日のFOMCで、政策金利(FF金利の誘導目標)を3.75〜4.00%で据え置きました。採決は10対2で、反対した2人はいずれも0.25%の利上げを主張しています。今週の米雇用統計が強い内容だったことで、市場では12月会合での追加利上げを織り込む動きが強まったとされています。
日本(日銀):10月29〜30日の金融政策決定会合で、政策金利を1.25%程度に据え置きました。1人の委員が1.50%への利上げを提案しましたが、反対多数で否決されています。同時に公表された展望リポートでは、基調的な物価上昇率が2%の目標とおおむね整合的な水準に達したとの判断が示されました。次の利上げ時期については、12月会合を意識する見方も出ていますが、あくまで市場の予想の段階です。
ユーロ圏(ECB):10月29日の理事会で政策金利を2.65%(中銀預金金利は2.50%)に据え置きました。今年は6月と9月に利上げを行い、7月と10月は据え置きという流れです。声明ではエネルギー価格がインフレの上振れ要因として挙げられています。
英国(BOE):11月5日、政策金利を3.75%から4.00%へ0.25%引き上げました。金融政策委員会のメンバー全員が利上げに賛成し、そのうち1人はより大きい0.5%幅の利上げを主張しています。今回の利上げは事前にほぼ織り込まれていたとされ、次回以降の判断は中東情勢などの今後の展開次第とされています。
金利差で見ると、トレンド一覧のドル円に対応する日米の差は、FRBの3.75〜4.00%に対して日銀が1.25%程度と、引き続き大きく開いたままです。ポンド円に対応する英日の差は、BOEが利上げし日銀が据え置いたことで、今週さらに広がりました。ユーロドルに対応する欧米の差は、ECB・FRBともに直近は据え置きで、今週の時点では大きな変化はありません。政策金利の基本的な見方や、過去の発表後の値動きは政策金利とFOMC・日銀会合の見方でまとめています。
ドル円・ポンド円を動かしている材料
今週は、11月3日の米中間選挙と株式市場の動きに振り回される1週間でした。選挙の通過を受けていったんリスク選好が広がったものの、週半ばにはAI関連の投資や規制を巡る警戒から半導体株を中心に米国株が大きく下げ、日本株も連れ安となりました。株安がリスク回避の円買いを呼び、ドル円は11月6日朝に157.25円台まで押し下げられています。株安の背景については、AIやデータセンターを巡る規制強化への警戒などが意識されたとの見方が出ています。
流れを変えたのは週末6日の米10月雇用統計です。非農業部門雇用者数は前月比16.5万人増と市場予想を大きく上回り、失業率も4.1%に低下しました。発表後はドル買いが優勢となり、ドル円は158円台半ばまで切り返して週を終えています(MT5の終値ベースで158.498円)。ただ、158円台に入ってからは、上値を一気に伸ばす展開にはなっていません。
ポンド円は、BOEの利上げ発表直後に買われて213円台半ばまで上昇する場面がありましたが、利上げがほぼ織り込み済みだったことに加え、その後の株安を受けた円買いに押され、212円を割り込みました。MT5では211.567円で週を終えています。利上げという追い風があっても、リスク回避の円買いが上回った1週間でした。
ユーロドルは、強い米雇用統計を受けたドル買いも意識され、1.11台前半まで軟化しました。ゴールドは雇用統計後のドル高と利上げ観測の強まりが重しとされて反落し、4,070ドル台で週末を迎えています。ビットコインは米国の現物ETFからの資金流出が続き、11月5日に約4.3億ドル、6日にも約4.1億ドルの純流出となりました。価格は76,000ドルを挟んだ一進一退で、MT5では75,948ドル台で推移しています。
今週の主要経済指標
- 米中間選挙(11月3日):通過直後は米国株が大きく上昇したが、その後は急落に転じ、為替も振れの大きい展開に
- 英中銀(BOE)政策金利(11月5日):3.75%→4.00%へ利上げ。全員が利上げに賛成し、1人は0.5%幅を主張
- 米10月雇用統計(11月6日):非農業部門雇用者数は16.5万人増と予想を大きく上回り、失業率は4.1%に低下。ドル買いが優勢に
- 米国株・日本株の急落:AI関連銘柄を中心とした売りでリスク回避の円買いが強まり、ドル円・ポンド円の重しに
- 米ビットコイン現物ETF:週後半にかけて大口の資金流出が続く
来週の重要経済指標
| 日時 | 国 | 指標名 | 重要度 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11/09(月) 10:30 | CN | 消費者物価指数(前年比) | 高 | 0.8 | 0.9 |
| 11/10(火) 12:00 | CN | 輸出(前年比) | 高 | 33 | 36.3 |
| 11/10(火) 12:00 | CN | 輸入(前年比) | 高 | 33 | 31 |
| 11/10(火) 12:00 | CN | 貿易収支 | 高 | 125 | 133.53 |
| 11/10(火) 22:30 | US | 消費者物価指数(コア・前月比) | 高 | 0.2 | 0.3 |
| 11/10(火) 22:30 | US | 消費者物価指数(コア・前年比) | 高 | 2.8 | 2.6 |
| 11/10(火) 22:30 | US | 消費者物価指数(前月比) | 高 | 0.3 | 0.6 |
| 11/10(火) 22:30 | US | 消費者物価指数(前年比) | 高 | 3.9 | 3.7 |
| 11/12(木) 16:00 | GB | GDP(速報値・前期比) | 高 | 0.7 | 0.4 |
| 11/12(木) 16:00 | GB | GDP(速報値・前年比) | 高 | 1.9 | 1.2 |
| 11/12(木) 16:00 | GB | GDP(前月比) | 高 | -0.1 | 0.1 |
| 11/13(金) 00:00 | US | 中古住宅販売件数 | 高 | 3.85 | 3.99 |
| 11/13(金) 22:30 | US | 生産者物価指数(前月比) | 高 | 0.4 | 1.3 |
※日時は日本時間です。物価・GDP・輸出入の予想・前回は%表記の値です。
なかでも最大の焦点は、11月10日(火)22:30の米消費者物価指数(CPI)です。前年比の予想は3.9%と前回の3.7%から伸びが高まる見込みで、結果次第で12月の追加利上げ観測が強まるのか、それとも落ち着くのかが変わってきます。CPIの基本的な見方や発表後の値動きの傾向は米CPIの見方と過去の値動きで解説しています。
来週のシナリオ
メインシナリオ:来週(11月9日〜13日)は、10日の米CPIが相場の方向を決める最大の材料になりそうです。強い雇用統計に続いてCPIも予想並みか上振れとなれば、12月の追加利上げ観測が下支えとなり、ドル円は158円台で底堅く推移する展開が考えられます。日足・4時間足の上向きの流れとも合致しますが、週足では評価が割れており、158円台後半は今週の高値圏でもあり、上値を試して押し戻される可能性にも注意が必要です。ユーロドルは下向きの流れがそろっているため、ドル高が続く場合は上値の重い展開が続くとみられます。
サブシナリオ:CPIが予想を下回り、あわせて米国株の下落が続く場合は、米金利の低下とリスク回避の円買いが重なり、ドル円が今週の安値圏である157円台前半を再び試す可能性があります。ポンド円は12日の英GDPが材料で、利上げ後の英国経済の底堅さが確認できるかどうかが焦点です。株安が続けば、金利差の拡大よりも円買いの勢いが優先される場面も想定されます。ゴールドは4時間足の持ち直しが続くかどうか、ビットコインはETFからの資金流出が一服するかどうかが見どころです。
まとめ
- ドル円は株安による円買いで157.25円台まで下げた後、強い米雇用統計を受けて158.498円まで切り返した
- BOEは政策金利を4.00%へ引き上げたが、株安を受けた円買いが勝り、ポンド円は211円台で週を終えた
- ユーロドルは週足から4時間足まで下向きの評価がそろい、1.11台前半まで軟化
- FRB・日銀・ECBは直近の会合でいずれも据え置き。日米・英日の金利差は大きいまま
- 来週は11月10日の米CPIが最大の焦点。12日の英GDP、13日の米PPIも控える
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