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パラボリックSARを用いたFX相場の分析方法・具体的な設定値も解説!

パラボリックは和訳すると「放物線」であり、表示される点(チャートによってはライン)が放物線を描くことからParabolicと名付けられました。移動平均線などと同じくトレンド追従型インジケーターです。ストップ&リバース(SAR)を用いたドテン(途転)の手法としてもっとも使用されています。SARの意味は「損切と反転」なので、そのまま「ドテン」のことですね。初心者でも非常に使いやすいインジケーターなので、ここで勉強してみましょう。

パラボリックSARとは

パラボリックの発案者はJ・W・ワイルダー氏であり、現在でもテクニカルの王道として使われているRSIやピボットなど多くのテクニカル指標を考案した人物です。上記した「ドテン」というのは、持っているポジションを逆転(買いポジションから売りポジションに。またはその反対)させることですね。 ドテンができるということは、エントリーや決済、また損切のポイントであるといえます。

メタトレーダーでは、標準搭載されていますので、見てみましょう。

「挿入」➔「インジケーター」➔「Parabolic SAR」で表示できます。パラメータはそのままで「OK」です。

パラボリックを表示すると、SARの点が放物線を描いていることがわかります。ローソク足に対して、上昇トレンドでは「下側」、下降トレンドでは「上側」にSARが表示されるので、SARの位置を見ればトレンドの方向が一目で把握できるシンプルなインジケーターですね。価格がSARに達することでSARの位置が反転しますので、そこがドテンポイントになります。

計算式は複雑な内容になっていますが、使い方は非常にシンプルで、ローソク足と接触するとSARが反対側に移ります。つまり、上昇しているSARが下降しているローソク足と接触したところでドテン。また反対に、下降しているSARが上昇しているローソク足と接触してドテンします。このようにSARを利用し、ドテンを繰り返す方法が一般的です。

しかし、チャートを見てもわかるとおり、トレンド相場では非常によく機能しますが「レンジ相場」には適していないのですね。パラボリック単体でトレードすると、レンジ相場が続く場面では大きな損失につながることがありますので注意してください。

パラボリックのパラメータ設定値

パラメータは、デフォルトで、Step(AF)=0.02、Maximum=0.2(画像:上)に対して、下の画像では(参考ですが)Step=0.05に変更しています。数値を大きくすることでSARがローソク足に近づくので、ドテンポイントを早めに判断することができ、スキャルピングでトレードする際に便利なようです。ちなみに、メタトレーダーでは「Step」という名称ですが、チャートによっては名称が異なり「AF(Acceleration Factor)」と表示されているものもあります。

スキャルピングを例にしましたが、トレードスタイルによってパラメータを変更する人もいますが、共通してデフォルトが推奨されています。理由としては狭くすることで「ダマシ」にあいやすくなるといわれています。

SARの始点は、直近のトレンドにおける高値・安値にあたります。そこからローソク足の進み具合でSARがトレールしていくイメージです。SAR2つ目以降には別の計算式があり、それに基づいて動きます。Step(AF)は「加速因子」であり、例えばデフォルトでは、初期値0.02に、増加分0.02を足していくことになります。最大値0.2になるまで増加値0.02を足していき、トレンドが転換すると、また初期値0.02に戻ります。トレンドの波が大きくなるとSARもそれを追従しますが、こういうインジケーターは少ないのでユニークですね。

パラボリックSARとADXインジケーターを併せる分析方法

上に記載しましたが、パラボリックは常にトレンド追従型なので、レンジ相場には非常に不向きなインジケータです。またトレンド発生に見せかけた「ダマシ」も存在しますので、上位時間で確認する「マルチタイムフレーム分析」はもちろん、他のインジケーターやオシレーターなどを併せて使用することをおすすめします。

例えば、パラボリックを使ったトレードは、トレンドラインのブレイクポイントでトレードすることと似ていますので、まずは水平線を引いてみるといいでしょう。また、他のトレンド型インジケーター(例えば移動平均線やボリンジャーバンドなど)と併用することで、より判断に役立ちます。

ちなみに、考案者であるJ・W・ワイルダー氏はレンジ相場の判断に、自身が開発した「DMI」に存在する「ADX」(下画像)を推奨しています。これはメタトレーダーには搭載されていませんので、他のチャートから参照してください。

パラボリックはドテン手法が主な使い方といいましたが、ドテンでなくてももちろん通常のエントリー箇所ですので、トレンドを期待してポジションを持ってみましょう。

パラボリックSARのメリット・デメリット

メリット①トレンド転換がわかる

トレンドが加速するほど追従し、ローソク足に追いつくとトレンドが終了するのは、視覚的にとても判断しやすい。また、トレンド相場で有効なので利益が大きい。

メリット②チキン利食いを回避できる

チキン利食いはメンタルが大きく関わってきますが、パラボリックを使うことでトレンドの継続が判断できるため、ポジションを保有することができる。利益確定も機械的に行える。

メリット:③初心者でもわかりやすい

視覚的にトレード判断ができるので、初心者でも問題なく使用できるでしょう。

デメリットレンジ相場は最悪

初心者でも視覚的にわかりやすく、取り入れやすいパラボリックですが、トレンド相場・レンジ相場を見分けるには経験がどうしても必要です。しかし逆に、レンジ相場が見分けられれば、このパラボリックは大きな味方になるといえます。

注意点:「トレンドが終わる=大きなトレンド転換」ではない

そして、パラボリックはトレンドが終わることは判断できますが、すぐにトレンド転換が起こるわけではなく、レンジ相場になったり、トレンドができても小さな動きで終わったりもします。ダウ理論でいうように、大きなトレンド転換がある場合は「転換サイン」が出ます。それは例えば、ダブルトップ(ボトム)や三尊(逆三尊)などです。このサインが表れた場合はトレンドの波が大きくなるので、その分利益が増すところですね。ぜひチャレンジしてみましょう。

移動平均線を使った戦略で、パラボリックSARの苦手なレンジ相場を避ける!

では実際にトレードする場合、レンジ相場に気付かなければなりませんが、どうすれば回避できるでしょうか。ここでは移動平均線と併用することを考えてみます。

移動平均線には、代表的なインジケーターとして「単純移動平均線(SMA)」「指数平滑移動平均線(EMA)」「加重移動平均線(WMA)」「複合型移動平均線(GMMA)」があります。その中からパラボリックと併用するなら「EMA」がおすすめです。

これは海外で話題になっている手法ですが、EMAのパーフェクトオーダーとパラボリックの相性がいいようです。画像にはいろいろ記載していますが、SARとEMAのみでシンプルな手法で、非常に有効な内容になっています。

EMAの設定は、13、34、55。パーフェクトオーダーというのは、移動平均線が順番どおりに並ぶことです。その状態を確認して、SARと一致していたら、13EMA付近でエントリー➡SARで転換を確認して決済します。注意点は、ローソク足が大陽線・大陰線のあとではエントリーはできないですね。13EMAから離れてしまうことになるからです。利益も少なくなりますし見送るのがいいでしょう。

また、EMAの幅が狭いところがレンジ相場になっていますので、トレードは厳禁です。

パラボリックだけでマルチタイムフレーム分析

上記では、他のインジケーターを使うことで、エントリー根拠を強くすることを書きましたが、ここで上位時間足のパラボリックを見てみることにしましょう。

マルチタイムフレーム分析を行う重要な意味は、「方向を見る」「間違ったエントリーをしない」ために上位時間足で「確認する」ということです。

5分足でトレードしていて、SARの位置が下から上に移動したから「ショート(売り)エントリー」という場面でも、1時間足を見たらSARは下にあった…というのは多々起こることです。つまりここでは、「上目線」が正解なのです。こういった場面では、「ロング(買い)エントリー」ができる場面まで「待つ」ことが必要になります。

上位時間足で、まず先に動いている方向を確認することを心掛けましょう。

とても使いやすいパラボリックSAR:まとめ

パラボリックは「名前は知ってるけど使ってない」など、あまりメジャーなインジケーターとはいえないのかもしれません。しかし上記で勉強した限り、目線の固定なども簡単で「とても判りやすい」「とても使いやすい」優秀なインジケーターであることが理解できたのではないでしょうか。

特にEMAを使ったトレードでは、シンプルな上に非常に有効な手法といえるものでした。トレードをシンプルにすることは、たびたび推奨されていますので、ぜひ取り入れてみたいものですね。

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