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FX基本【ZigZag】でトレンドの波を捉える

ZigZagは、相場の推移をシンプルに可視化してくれるテクニカル分析のためのインジケーターです。ZigZagを使って水平線やトレンドラインなどを引くことも推奨されていますが、高値・安値ラインを引くことを自動化することで手間を省き、また波動を見ることが容易になります。初心者にもオススメのインジケーターといえます。

また、スウィングトレード・デイトレード・スキャルピングトレードなど、トレードスタイルを選ばないことも使用される理由です。

反面、ZigZag単体で判断してのトレードは難しいといわれています。パラメータで設定の変更も出来るため、個人によって見方が変わる点も便利ではありますが、それでは視点を固定することはできません。エントリー判断には向かないといわれるインジケーターですが、分析インジケーターとして使用しているトレーダーが多い印象です。

実際にエントリーには向かないのか? なぜZigZagを使用するトレーダーが多いのか? とても大事な理論である「エリオット波動」を探すことができることは勿論ですが、ZigZagはそれだけではありませんので、ここで魅力を徹底解説していきます。

ZigZagの基礎知識

ZigZagはアーサー・メリル氏の著書である『Filtered Wave』の中で発表されたチャート分析方法です。故にメリルパターンとも呼ばれます。

MT4で標準搭載されていますので、表示の仕方を紹介しておきます。「挿入」から「インジケーター」を選択。

「カスタム」に搭載されている様々なインジケーターやオシレーターの中に「ZigZag」があります。

また、もうひとつの方法として、表示から「ナビゲーター」を選択。カスタムの中のZigZagを選択します。

どちらでも、ZigZagを選択すると窓が表示されるので「OK」をクリックしましょう。この窓が後ほど解説する「パラメータ」です。

*使用するチャートによって、表示の仕方やパラメータの設定などが違う場合があります。

ZigZagは、価格のトレンドや転換などの変化を見るために役立つ、テクニカル分析のためのインジケーターです。また、チャートパターンで取引したい場合に向いているインジケーターでもあります。そのチャートパターンの一つに「エリオット波動」が含まれています。

チャートは常にランダムな動きをしているので、どこが高値・安値なのかがわかりにくいことが難点としてあげられますね。ZigZagは、このランダムな動きを排除して、設定に合わせたトレンドの変化を表示します。また、どの時間足でも使用できることで、全ての時間の中で動きを把握することができるのです。

ZigZagを使うメリット

トレンド判断:

ZigZagを使うメリットは、上記したように「高値・安値」が見やすいことがあげられます。高値・安値は、チャートを見る上では基本ですが、それはダウ理論によるものです。高値・安値切り上げで上昇トレンド、高値・安値切り下げが下降トレンド、切り上げ・切り下げがなければレンジ相場という判断ができます。

ダウ理論では、トレンドが転換した際、「押し目買い」「戻り売り」ポイントでエントリーができれば利益がでやすいとされています。

つまりZigZagを使うことで、明確な基準の「高値・安値」を視覚的に判断、「転換」もわかるために、トレンドの「押し目買い」「戻り売り」を狙ったトレードがしやすくなるのです。これは目視で判断できるトレーダーには必要ありませんが、まだ不安がある初心者には嬉しい機能です。

損切ポイント:

「損切ポイント」を簡単に決めやすいこともメリットの一つでしょう。例えば上昇トレンドで「押し目買い」でエントリーをする場合、直近安値の下に「損切ポイント」を設定します。これは安値が切り下がった時点でトレンドの終了を意味するからです。下降トレンドなら、直近高値の上に「損切ポイント」を設定します。

上右画像に例として、エントリーポイントと損切ポイントを示しました。上記からもわかるように、ダウ理論を使ったトレードをするにはとても有効なインジケーターのひとつなのです。

マルチタイムフレーム分析:

すべての時間足でZigZagが表示されることにより、上位時間足でも動きが把握しやすいため、進んでいる方向や波形を確かめるなど、マルチタイムフレーム分析を行うことができます。

エリオット波動の波を数えやすい:

自分で波を数えようとすると、どうしても自分視点になるため、あやふやな数え方になりがちですが、ZigZagで明確な波がわかりますので、波動が数えやすくなります。(エリオット波動については後ほど記載します)

ZigZagのパラメータについて

ZigZagは、ただ単に高値と安値を結んでいるわけではなく、きちんと計算式があり、パラメータの数値により形が作られています。パラメータはデフォルトで使われることも多いですが、下の画像のように数値を変えることで見え方がまったく異なってきます。パラメータの意味を記載しておきますので、違いを確認してみましょう。

デフォルトで使う、通貨によって変える、使う時間足によって決める、などトレーダーによって使い方はそれぞれです。見やすく設定すればいいのですが、逆に迷ってしまうなら、デフォルトで使うことをおすすめします。

パラメータ:デフォルト(Dep12、Back5、Dev3)

  • Depth ➡ 高値と安値の最小期間
  • Backstep ➡ 高値と安値の転換率
  • Deviation ➡ 反転の判断に必要な期間

Depth:数値を大きくすると、山谷の表示が大きくなります。逆に数値を小さくすると敏感な表示になりますので、細かくなります。損切ポイントとして使用するのであれば、細かくしておくことで損失を大きくせずに済むという利点があります。

左画像は上で使用したもので、Depthなどはデフォルトです。右がDepthを「6」に変更した画像です。ずいぶん細かくなり印象が違います。(ここでは「損切ポイント」は変わらなかったですね)

Backstep&Deviation ZigZagの表示にあまり影響はないようです。

パラメータを変更するのであれば、Depthのみでいいでしょう。また、上位時間足では表示が大きく捉えられるため、相場の大きな流れを見るのに向いているといえます。

ZigZagと相性がいいツール

ZigZagを使ったトレードでは、水平線やトレンドラインを併用したライントレードが一般的かと思われます。高値・安値が明確であるため、ラインを引くポイントがわかるのですね。併せて、フィボナッチやギャンを使用する際も起点が決められます。

移動平均線を組みあせたトレードも可能です。グランビルの法則で使用される200SMAを1本表示するだけでも、転換からのエントリーで根拠が強くなります。

また、「ダマシ」を回避したりエントリーや利確の判断のために、下記のインジケータを使用するのもいいでしょう。ZigZagで大まかな転換ポイントと他のインジケータとの一致を見て根拠の重複点を増やすことでトレードの精度が上がります。

  1. 移動平均線:
    • 手法: 短期および長期の移動平均線を組み合わせることで、ZIGZAGが示す変動のトレンドを確認します。例えば、短期移動平均線が長期移動平均線を上から下にクロスした場合、売りのサインとなることがあります。
    • 利点: トレンドの方向性を判断するのに役立ちます。
  2. RSI(相対力指数):
    • 手法: ZIGZAGがトレンドの転換点を示す際に、RSIが過買いまたは過売り状態にあるかどうかを確認します。過買い状態で売りのサイン、過売り状態で買いのサインとなることがあります。
    • 利点: 過熱市場や反転のサインを見つけるのに役立ちます。
  3. MACD(移動平均収束拡散):
    • 手法: ZIGZAGの変動とMACDのクロスオーバーを組み合わせることで、トレードのエントリーやイグジットのタイミングを洞察します。例えば、MACDがシグナルラインを上から下にクロスした場合、売りのサインとなることがあります。
    • 利点: トレンドの転換や強弱を示すのに役立ちます。
  4. ボリンジャーバンド:
    • 手法: ZIGZAGと組み合わせることで、価格の変動の範囲を理解しやすくなります。特に、価格がボリンジャーバンドの上部バンドまたは下部バンドに触れた場合、反発する可能性があることを示します。
    • 利点: 価格の変動の範囲を把握するのに役立ちます。
  5. ストキャスティクス:
    • 手法: ZIGZAGがトレンドの転換点を示す際に、ストキャスティクスが過買いまたは過売り状態にあるかどうかを確認します。過買い状態で売りのサイン、過売り状態で買いのサインとなることがあります。
    • 利点: 過熱市場や反転のサインを見つけるのに役立ちます。

ZigZagとエリオット波動理論

エリオット波動理論とは、ラルフ・N・エリオットが考案した歴史がある理論です。簡単に説明すると「相場の波動は5つの上昇波と3つの下降波を基本として、一つの周期を作っている」というものです。周期の長さは短いもので3週~5週のミニュットから、100年以上のグランドスーパーサイクルまで幅広く表れるチャートパターンになります。

ZigZagは高値・安値の波を見るため、このエリオット波動を見つけやすいです。また実際にトレードする際はローソク足の動きはわかりませんが、このチャートパターンを「期待できる」ということも嬉しいことですね。この画像の場合、第2波で作った「戻り売りポイント」からエントリーできると非常に理想的です。

エリオット波動理論はとても奥が深く、すぐに身につけられるものではないのですが、これを基準として複数のチャートパターンができています。多くのトレーダーがエリオット波動理論などを駆使してトレードしています。理論というと、どうしても難しく聞こえますが、トレードには非常に役立ちます。興味をもっていただくことでトレードの上達につながるでしょう。

ZigZagは必要?:まとめ

ZigZagは、初心者はもちろんトレードに慣れた人でも、とても使いやすいインジケーターです。

トレードをする上では、「高値・安値」の判断はとても重要ですし、注目されるポイントになります。他にもラインの見やすさ、トレンドラインやレジスタンス&サポートラインを自分で引く際にもとても役立ちます。常に表示して使い慣れてもよいインジケーターだといえるでしょう。

実際のトレードでも、非常に役に立つインジケーターと理解していただけたのではないでしょうか。ZigZag単体のトレードも使い方によっては可能ですし、他のインジケーターやオシレーターを併用することでエントリー根拠を強くすることができます。

余談ですが、今回、上記ではMT4を使用していますが、スマートフォンではZigZagを表示することができません。「スマートフォンを使ってトレードをすることがある」人も多いかもしれませんね。そんな方におすすめなのが、海外チャートだと「Trade View」、また国内ではヒロセ通商のチャートで搭載が可能のようです。

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