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【月報】2026年9月号:金・ビットコインが同時急騰、円は全面安に転じた8月

この記事を読むとこうなります
→ 2026年8月の為替・ゴールド・ビットコインの値動きが数字で振り返れます
→ 月足・週足で見た中期的なトレンド構造が分かります
→ 金とビットコインが同時に急騰し、円が全面安に転じた背景と、今月(9月)の注目材料が分かります

⚠️ 本レポートは執筆時点の相場情報です。相場は経済指標の結果・要人発言・地政学リスクなどによって方向性が急変することがあり、記載のトレンドや見通しは将来の値動きを保証するものではありません。取引は必ずご自身の判断と責任で行ってください。

2026年8月の振り返り

2026年8月の主要5資産のOHLC(始値・高値・安値・終値)と月間騰落率は以下の通りです。

資産始値高値安値終値月間騰落率
USD/JPY157.101160.201155.221159.698+1.65%
EUR/USD1.1541.1711.1501.162+0.64%
GBP/JPY212.000217.466209.561216.399+2.08%
GOLD (XAU/USD)4073.814696.634019.174449.06+9.21%
BTC/USD62932.1781491.1862240.1278833.08+25.27%

価格データはMT5(XS Fintech)を使用しており、日足はUTC(協定世界時)を基準に区切っています。TradingView等の他のチャートサービスや取引所とは表示タイムゾーンや参照する取引所が異なるため、数値が多少異なる場合があります。

8月最大の特徴は、ゴールドが+9.21%、ビットコインが+25.27%とそろって大幅高になったことです。ゴールドは高値4696.63ドルまで買われる場面があり、ビットコインも月中で8万ドルを超える水準まで急伸しました。一方で為替は円が主要通貨に対して全面的に売られる展開となり、USD/JPYは+1.65%、GBP/JPYは+2.08%とそれぞれ上昇しています。EUR/USDも+0.64%とわずかながら上昇しており、7月に見られた円全面高とは逆方向の値動きになりました。

月足・週足の中期トレンド構造

ダウ理論による高値・安値の切り上げ/切り下げ判定をもとにした、月足・週足それぞれの中期トレンド状況です(価格は本レポート作成時点のもの)。

資産時間軸価格トレンド判定(ダウ理論)
USD/JPY月足159.94上昇トレンド継続
週足159.94収束(保ち合いの可能性)
EUR/USD月足1.160収束(保ち合いの可能性)
週足1.160下降トレンド継続
GBP/JPY月足216.583収束(保ち合いの可能性)
週足216.583下降トレンド継続
GOLD (XAU/USD)月足4430.76下降トレンド継続
週足4430.76上昇トレンド継続
BTC/USD月足78696.19下降トレンド継続
週足78696.19拡大レンジ

価格はMT5のデータをもとにした、本レポート作成時点のものです。

為替3ペアはいずれも8月単月で上昇したにもかかわらず、月足・週足の判定は上昇一色になっていません。USD/JPYは月足こそ「上昇トレンド継続」ですが週足は「収束(保ち合いの可能性)」にとどまり、EUR/USDとGBP/JPYに至っては週足が「下降トレンド継続」のままです。単月の上げ幅が直近の高値・安値を切り上げるところまでは達しておらず、機械的なトレンド判定はまだ円安方向への転換を確認していないことになります。

ゴールドとビットコインも似た構図です。ゴールドは月間+9.21%という大幅高でしたが月足の判定は「下降トレンド継続」のままで、週足だけが「上昇トレンド継続」に切り替わっています。ビットコインは+25.27%の急伸にもかかわらず月足は「下降トレンド継続」、週足は方向感の定まらない「拡大レンジ」です。値動きの大きさに対してトレンド判定の反応が遅れているようにも見えますが、これは今回の上昇がまだ直近安値を明確に切り上げる形にまでは至っていない、いわば「戻りの範囲」にとどまっていることの表れでもあります。

なぜ金・ビットコインの同時急騰と円全面安が起きたのか

8月は原油価格が1バレル91ドルを上抜ける場面があり、エネルギー価格の上昇がインフレ再燃への警戒感を強め、債券市場で売り圧力が強まる展開が目立ちました。金利上昇は本来ドル買い材料になりやすい一方、ゴールドはインフレヘッジとしての買いを集めやすく、月間で4696.63ドルまで値を伸ばす場面がありました。もっとも月末にかけては3カ月ぶり高値から一服し、米インフレ指標の結果待ちで様子見ムードが強まる場面も見られています。円については、日銀の次回会合(9月18日)で政策金利を現行の1.00%から1.25%へ引き上げるとの見方が市場で強まりつつあるものの、8月時点では据え置きが続いたとみられ、金利上昇局面でも円が買われにくい地合いが続いたことがUSD/JPYやGBP/JPYの上昇につながったと考えられます。

ビットコインの急伸は、ウォール街の機関投資家がBTC・ETHの購入を再開したとの報道や、ビットコインETFへの継続的な資金流入が背景にあります。ゴールドが地政学リスクやインフレ懸念に連動しやすいのに対し、ビットコインは機関投資家の資金フローという別の文脈で買われており、両者が同時に上昇したこと自体、値動きの理由を一つの要因だけに絞り込むべきではないことを示しています。実際に22%超の上昇を経たあとには過熱感を指摘する声も出ており、上昇の持続性には注意が必要な局面です。取引に仮想通貨での入出金を組み合わせる場合は、値動きが大きい局面ほど事前に手順を把握しておくと安心です。

経済指標と値動きの関係

9月は主要中央銀行の会合が集中する月です。ECBは9月10日、FRBは9月16日、日銀は9月18日にそれぞれ金融政策決定会合を予定しており、いずれも直近の政策金利を据え置くか変更するかが焦点になります。FRBの前回政策金利は3.50~3.75%のレンジで、9月4日発表の雇用統計や9月11日発表の米消費者物価指数(CPI)の結果次第で、利下げ・利上げいずれの見方にも振れやすい状況です。日銀については、9月18日の会合で政策金利を現行の1.00%から1.25%へ引き上げるとの見方が市場コンセンサスとして示されており、実現すれば円相場に大きな影響を与える可能性があります。

このほか9月1日発表のユーロ圏消費者物価指数(速報値)や9月3日のISM非製造業景況指数など、インフレ動向と景気の強さを測る指標も相次ぎます。8月に見られたエネルギー価格上昇によるインフレ懸念が、これらの指標を通じて裏付けられるのか、それとも一時的なものにとどまるのかによって、ゴールドや為替の反応も変わってくると考えられます。

今月の注目ポイント

ゴールド・ビットコインともに8月は大幅高でしたが、月足の判定はまだ「下降トレンド継続」のままです。週足で先行してトレンド転換が見られたゴールドが月足でも高値更新を確認できるか、また拡大レンジにあるビットコインが上下どちらかに値幅を伴って抜け出すのかが、9月の値動きを見るうえでの焦点になります。8月終盤に見られた上値の重さが一時的な調整にとどまるのか、それとも上昇一服の始まりなのかも注視したいところです。

為替については、9月18日の日銀会合で追加利上げが実際に決定されるかどうかが最大の焦点です。市場の織り込み通りに1.00%から1.25%への利上げが決まれば、8月まで続いた円全面安の流れが変わる可能性があります。反対に据え置きとなった場合は、FRBやECBの判断とあわせて金利差を意識した円売りが続く展開も考えられます。9月4日の雇用統計や9月11日のCPIなど、日銀会合に先立つ米指標の結果にも注意が必要です。

まとめ

  • 2026年8月はUSD/JPY+1.65%・GBP/JPY+2.08%・EUR/USD+0.64%と円が全面安になった一方、ゴールドは+9.21%、ビットコインは+25.27%とそろって大幅高になった
  • 為替3ペアは単月で上昇したものの、週足の判定はEUR/USDとGBP/JPYで「下降トレンド継続」のままで、円安方向への転換はまだ確認されていない
  • ゴールド・ビットコインも月足の判定は「下降トレンド継続」で、大幅高にもかかわらずトレンド判定は上昇に追いついていない
  • 原油高によるインフレ懸念とビットコインETFへの資金流入という別々の要因が重なり、金・ビットコインが同時に買われる展開になった
  • 9月はECB(9/10)・FRB(9/16)・日銀(9/18)の会合が集中し、なかでも日銀の追加利上げ(1.00%→1.25%)が実現するかが円相場の最大の焦点になる

このレポートを踏まえてトレードを始めたい方へ

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