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FX共通単位【pips】基礎知識・損益計算などわかりやすく解説します!

外国為替取引に於いて、為替レートが変動する最小値幅を「pip(ピップ)」、複数形で「pips(ピップス)」といいます。FXトレードを始めて、まず直面する「pips」を疑問に思う人は多いのではないでしょうか。FXでは当たり前に使用されている「pips」は、通貨ペアの価格の変動を定義するために使用される独自の単位です。この言葉の意味や必要性、計算方法などを詳しく解説します。

「pips」とは:基礎知識

pipは「percentage in point」の頭文字をとった略語です。また、pipsは「ポイント」に相当します。トレーダーの中には、「いくら金額を稼いだか?」ではなく「どれくらいのpipsを稼いだか?」に重点を置いている人も多くいますし、仲間同士で会話する際も「〇〇pips勝った」などと言うことの方が多いのですが、それは獲得した値幅が多いほうがトレードの成績が良く、表現しやすいということによるのです。

「pips」が設定された理由

pipsは異なる通貨で共通して使用できる単位です。為替は各国の通貨を使った取引なので、その国により当然単位が異なるため、各国の通貨単位に合わせて変動を表すのは困難ですね。「1円」「1ドル」「1ユーロ」など、その変動がどれくらいなのか判断しにくかったこともあり、「pips」を共通の単位として、簡単に情報の比較ができるようになったのです。

では次に、1.0pipsを例として代表的な通貨を記載します。

  • 日本円:1.0pips=0.010 円(1銭) ➡ 100.0pips=1円
  • 米ドル:1.0pips=0.00010 ドル(0.01 セント) ➡ 100.0pips=1セント

各FX会社でスプレッド(手数料)の設定は違いますが、pipsはスプレッドの単位として共通して使用されています。

なぜ「pips」が使われるのか?

日本円が5円変動したら、私たちは「5円か」とすぐに理解しますが、米ドルで「5ドル」と言えば「575円」、「5ユーロ」だと「645円」になります(2022年3月1日時点)。このままでは、非常にわかりにくいために共通単位が設けられたのです。

上記したように為替レートの変動がわかりやすくなることに加え、獲得pipsを把握することで、自分のトレードの良し悪しの判断ができる、また投資効率を把握しやすいことも理由といえます。「投資効率」というのは、同じpipsを獲得しても取引量(ロット数)が違うと稼げる金額が変わってくる、ということです。

例えば「USD/JPY」で1万通貨の買いエントリーをした場合、115.050 から 115.000 に下がったとすると「5.0pipsの下落(損失)」となります。また「EUR/USD」で同じように買いエントリーした場合、1.12345 から 1.12500 に上がった場合では「16.0pips上昇(利益)」となりますが、ロット数による違いを計算してみましょう。

  • 5.0pips(0.050円)× 1万通貨 × 1.0ロット = 500円損失
  • 5.0pips(0.050円)× 1万通貨 × 5.0ロット = 2500円損失
  • 16.0pips(0.160ポイント)× 1万通貨 × 1.0ロット = 1600円利益
  • 16.0pips(0.160ポイント)× 1万通貨 × 5.0ロット = 8000円利益

トレードをすると実際に金額が上下するので、動く金額に気を取られて慌てる人もいます。特にロット数(取引数量)を上げるなどすると冷静を保つことが難しく感じるのです。そのような時は「pips(値幅)をみる」ことで冷静に判断でき、利益を伸ばすことが容易になるのです。

「1pipsの定義」はFX会社によって違う

FX会社によって、pipsの定義に違いがあります。はじめの画像のようにドル円・クロス円など小数点以下3桁、ドルストレートでは小数点以下5桁(合計6桁)を採用している会社が多いですが、一部ではピペット(マイクロピップ)を採用している会社(右画像)もあり、小数点以下4桁・6桁(合計7桁)を使用しています。

また、小数点以下3桁めを1pipsと定義しているFX会社もあります(右画像)。この場合、1000pips=1円になりますので、例えばFXトーレドをしている仲間が「100pips稼いだ」と言っても、それは10.0pipsの可能性もあるということですね。

pipsに慣れる

使うFX会社によって違いがあることもわかりました。それぞれの定義があるようですが、大事なのは損益などトレードに必要となる部分です。使用するFX会社の特徴を掴んでおきましょう。

FXトレードには欠かせないpipsに慣れるまでは、実際に動いている為替レートを見ておくことをおすすめします。通貨ペア毎に売買価格の差(スプレッド)が違うので、何pipsの差があるかを見ることでpipsに慣れて、損益の計算などもできるようになるはずです。

また、明け方から朝8時くらいまでは、為替レートに大きな差が開きますので、参考に見ておくといいでしょう。

通貨による「pips」

日本円、米ドルという代表的な通貨で記載してきましたが、取引できる通貨ペアはFX会社によってさまざまで、その数に違いがあります。最近では新興国通貨を扱う会社も多くなってきましたね。先進国通貨に比べて新興国通貨の取引では為替レートの差(スプレッド)が大きくなる傾向があります。

通貨により流通量に違いがあることも為替レートの変動に関係してくる要因ですが、新興国通貨のように値動きが激しい通貨での取引では、ハイリターンを期待できる反面、当然ハイリスクにもなります。新興国通貨では、金利を考慮したスワップポイントを狙った取引が一般的です。

先進国通貨のほうがコンスタントに流通しているため流動性が高く、安定した推移になります。とはいえ、英ポンドは短期的な利益を狙う投機筋のターゲットになりやすいため、値動きが荒くなりがちです。pipsが共通していることで、損益の計算は同じになります。

活用の仕方

損益計算

pipsを使った獲得pipsと計算方法、資金効率について解説します。FXでは、獲得した金額ではなく、獲得pips(値幅)が多いほうが「成績がいい」といえます。

例として、ドル円を100.000円で買いエントリー、100.050円で利益確定したとします。

現在では取引数量が1000通貨からというFX会社も多くなりましたので、1000通貨取引の場合に獲得する損益をまず計算してみましょう。損益の計算は以下の式のとおりです。

損益 = 獲得pips(値幅)× 取引数量(ロット数)

例えば100.0pipsの利益確定ができた場合は、以下の計算になります。

5.0pips(0.5円) × 1千通貨 × 1.0ロット = 50円

これが1万通貨であれば500円の利益になります。以下に記載します。

計算式

「獲得pips」× 0.010円(または 0.00010ドル)× 通貨数

獲得pipsの計算
100.050円(利益確定)- 100.000円(新規の買値)= 0.050円 = 5pips

利益計算
5pips × 0.010円 × 10,000通貨 = 500円

資金効率の計算

資金管理をする上でpips計算は必要不可欠ですが、取引数量(ロット数)を考慮することで獲得する利益金額に差がでます。

  • ドル円100.000円」10,000通貨・買いエントリー、100.500円で利益確定
  • ドル円「100.000円」50,000通貨・買いエントリー、100.100円で利益確定

それぞれの利益はいくらになるでしょうか。
上:5,000円(= 0.500円 × 10,000通貨)
下:5,000円(= 0.100円 × 50,000通貨)
両方とも5,000円の利益になります。これはロット数を増やしてトレードした結果になりますが、獲得pipsで言うと、上が50.0pips、下が10.0pipsです。つまり、同じ50pipsを獲得すると下は2万5000円となるので、資金効率がいいといえます。

「pips」の注意点:損切について

損切を考慮する場合に「pips」で決める人がいますが、これはあまりおすすめできない方法です。pipsだけを考えて「〇〇pips逆行したら損切しよう」と決めても、その際の損失額を考えなければ「強制ロスカット」になることがあるからです。取引をする際には「必要証拠金」が必要ですが、「証拠金維持率」が一定率を下回ると強制ロスカットが採用されます。また、強制ロスカットがないFX会社では追証対象になります。口座残高は常に余裕があることに越したことはありません。

pips幅での設定ではなく、損失額を考慮した損切幅を設定しましょう。例えばドル円10000通貨の取引で1万円の損失額を考えた場合、100pipsが損切許容pipsになります。

FXトレードの基本「pips」:まとめ

以上の記事では、FXでトレードをする際に必要になる「pips」という共通単位について記載しました。各国の為替レートが「pips」という共通の単位で示されることにより、世界中のトレーダーが同じ単位で取引できているのです。また、自分のトレード内容も把握しやすくなっていますね。

はじめは「pips」を理解することも手間ではあるのですが、使い慣れると日常的にpipsで判断するようになります。FXでは「pipsは知っていて当たり前のもの」として扱われます。使う内に、簡単に頭の中でpips計算できるようになりますので、計算式よりはここでは他の知識に目を向けてみることをおすすめします。

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