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FX【スプレッド】取引コスト計算と変動について解説します

トレードをする場合、すべてのFX会社で2wayプライスが採用されています。「Ask(買い)」「Bid(売り)」で価格差があることに気付くかと思われます。この差が「スプレッド」と呼ばれるもので、FX会社に収める取引手数料になります。スプレッドは各FX会社で設定が違いますので、口座開設をする際にはしっかり調べることをおすすめします。勿論のことですが「スプレッドが狭いほうが有利な取引」といえます。この記事では、スプレッドに関することを初心者に向けて解説します。

スプレッドとは?

スプレッドの単位は「外貨/円」では「銭」、「外貨/外貨」だと「pips」で、それぞれ区別されています。

1.0pips=1銭=0.01円」ということを覚えておきましょう。

FX会社の記事をそれぞれ見ると「USD/JPY」について多く比較されていますが、スプレッドは通貨ペア毎に違うため一律ではありません。

左画像は「EUR/USD」の注文窓です。売値と買値に差がありますね。これがスプレッドです。海外のFX会社ですが、スプレッドは広めで変動制であり、この時点では「1.9pips」のスプレッド幅になっています。この時に「売り」ポジションを保有したとすると、スタートは1.11278で、1.9pipsの損失から取引が始まるのです。「売りだからSELLの価格じゃないの?」と思われるかもしれませんが、ポジションを保有した時に1.9pipsの取引手数料を支払い、決済時にまたスプレッド分が差し引かれる仕組みです。この場合、往復合計3.8pipsの取引手数料が引かれる計算になります。「スプレッドが狭いほうが有利」ということが理解できましたね。

知識としては「スプレッド=売買価格差」であり、取引手数料とは別の扱いなのですが、実質的には取引手数料を無料にしているFX会社が多いため、「スプレッド=取引手数料」として認識されているのが現状です。

取引手数料に見る「スプレッドの違い」:損益の差

スプレッドの計算

スプレッドは、FX会社によりそれぞれの設定があります。口座を開けば何回ともなく数多く取引を行うことになりますので、できるだけスプレッドが狭い会社を選ぶに越したことはありません。A社とB社で同じ回数を取引すると、実は大きな差になっていることがあります。上記したFX会社で取引する場合、往復合計3.8pipsを金額にすると次のようになります。

  • 1千通貨 × スプレッド3.8pips × 0.1ロット = 38円
  • 1万通貨 × スプレッド3.8pips × 1ロット = 380円

仮に10.0pipsの値幅を利益確定できたとすると、1千円 - 38円 = 962円利益、1万通貨で9620円の利益となります。初心者のうちは「プラスになればいい」と思うものですが、これが10回取引したら単純に10倍の手数料が引かれる計算になるため、実際のトレード成績を比較した時に「高いなぁ」と感じることでしょう。次に「原則固定:USD/JPY=片道0.2銭」で計算してみましょう。

  • 1千通貨 × スプレッド0.4銭(0.004)× 0.1ロット = 4円
  • 1万通貨 × スプレッド0.4銭(0.004) × 1ロット = 40円

日本のFX会社を見ると、上記した「EUR/USD」では現在「片道0.4pips」が一番狭いです。上記の海外FX会社と比べると1回の取引で3.0pipsの差がありますので、さすがに大きいですよね。

また、期間付きで通貨ペアによってスプレッドが通常より狭くなるキャンペーンが行われるFX会社もあります。取引する通貨ペアが合っていれば利用してみるのもアリです。

スプレッドが広い!:理由があります

時間帯

通常のFX口座では、日本時間で早朝から朝8時までは参加者が少なく不安定で、スプレッドも大きく広くなりがちです。これは、どのFX会社でも戻る時間に差はありますが、当てはまることです。そのため、トレードは朝8時過ぎまで控えることをおすすめします。

他のサービスが充実している

スプレッドがFX会社の収益であることを考えてる際に、他のサービスに手をかけているかを考えます。例えばスワップポイントやレバレッジ、スマホ対応やシステムなどが充実しているFX会社ではスプレッドが少し広めになっています。

サーバシステムを考えてみます。たまに起こる「スリッページ」という現象があります。これは急激な動きがあった場合に、約定される価格が予定外にスリップすることです。急激な動きの中では、注文を入れていたとしても約定されなかったり、また不利な価格で約定されてしまうということが起こります。そこでスリッページに耐えられるように、システムに力を入れている会社も複数ありますが、大体に於いてスプレッドに特化していません。

スプレッドはFX会社の収益ですし、私たちはスプレッド以上に値幅を稼がないと利益にはなりません。そのことからもスプレッドが狭いFX会社を選ぶことも重要になりますが、それだけではなく他の必要になるサービスにも目を向けて総合的な判断でFX会社を選ぶことをおすすめします。なぜなら、スプレッドは「原則固定」となっているFX会社が多いですが、約定スピードやスリッページの対応なども考慮する必要があるのです。

スプレッドが広いということは一般的には弱点になるとはいえ、それに勝る行き届いた充実したサービスがあるなど、参加者が続けて取引している理由といえます。FX会社にはそれぞれ長所も短所もあります。

取引方式を確認しよう

NDD方式」を採用しているFX会社は、スプレッドが少し広めの傾向があります。「NDD方式」とは、「ノン・ディーリングデスク方式」の略で、「利用するFX会社のディーラーの意思を受けない、完全にトレーダーの意志による取引」のことです。NDD方式のメリットとしては、自分のトレードが不正な操作をされることなく直接インターバンクに流れるため透明性があり、約定拒否なども起こらないことがあげられます。国内のFX会社でも数社あるようです。

対して「DD方式」では顧客の注文を一旦、自社で受け付ける処理になります。そのため、透明性が低いといえるのです。国内FX会社では、まだこの方式を採用しているところも多く、直接的な取引をFX会社を相手にしているカタチになります。これは非常に残念な方式であり、FX会社が利益を得るために操作することが可能なのです。トレーダーが勝てばFX会社が損をして、FX会社が勝てばトレーダーが損をするのです。

NDD方式を採用しているFX会社では、現状スプレッドに対してデメリットになりますが、これも改善されることでしょう。

スプレッドが広がる要因

  • 参加者が少なく、流動性が悪い時間帯
  • 重要な経済指標
  • 市場が影響を受ける突発的なイベント

先進国通貨は流動性が良く安定していますが、比べて新興国通貨は流動性が悪くスプレッドが広い印象です。取引量が多い通貨を選ぶことも大事です。

経済指標が多くありますが、その中でも特に値動きが大きい米雇用統計や注目される要人発言などでスプレッドが広がる現象が起こることがあります。また、過去に起こった出来事では「リーマンショック」や「新型コロナショック」などが例としてあげられます。

FX口座をいろいろ試してみよう

トレードスタイルによって使いやすいFX口座があります。デイトレード、スウィングトレードで使いやすいのは当然ですが、スキャルピングトレードに対応している、特化しているFX口座があります。スキャルピングトレードは極短時間のトレードを何度も繰り返すので、通常口座ではサーバーに負担があるため別扱いにしています。また、通常口座と同じようにスプレッドが設定されていては手数料ばかりかかって利益が少なくなってしまうためその点も考慮されているようです。

このようなスタイルの向き不向きや、取引方式、約定スピードなどそれぞれFX会社の個性があるため、多くのトレーダーは複数のFX口座を持ち、それぞれ試しているのです。

また、自動売買(EA)では、スプレッドは固定されていますが「スリッページ」には非常に弱い印象です。

「原則固定」と「変動制」の違い

売値や買値が変動していても、スプレッドを一定に保つのが「固定スプレッド制」であり、日本のFX会社はほぼこのスタイルになっています。その昔は変動制が主で、FXで大損したサラリーマンたちの要望に合わせて「固定制」を採用するFX会社が増えたという経緯があります。現在の日本のFX会社は世界一スプレッドが狭い中で運用されているのですね。

多くのFX会社が「原則」固定としているのは、上記してきたように例外の事態があるということです。十分に気を付けましょう。

それに対して、相場の状況によりスプレッドが変動するのが「変動スプレッド制」です。海外では変動制のFX会社が多く、そういった会社ではサービスなどが充実しているようです。日本と海外の違いは国のマーケティング戦略の違いによります。「固定スプレッド制」は投資自体に馴染みがない日本人に合わせた戦略になっているといえるでしょう。

スプレッドだけに捉われない:まとめ

スプレッドは私たちがFX会社に支払うものです。スプレッド幅が狭いと評判であっても、相応の弱点があるかもしれません。またトレードするにあたって、どの通貨で取引することが多いか、また裁量トレードか自動売買か、スキャルピングトレードなのか、などを考慮して選択するといいでしょう。トレード経験を重ねる中で考え方やトレードスタイルも変化していくものです。日本のFX会社を選ぶのか、海外FXに挑戦するのか、それもそれぞれ良し悪しがあります。

複数のFX会社を使ってみて、自分に合うところを探してみましょう。

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