fx-happiness.com

FX【波動理論】種類と分析・トレード手法を解説します

テクニカル分析を勉強していくと、どうしても避けて通れない「波形」「波動論」があります。代表的なダウ理論の「N」と3つの波。エリオット5波動とチャートパターン、加えて一目均衡表でも採用されている6種類の波動などなど。これらは「波動」「波形」と称しますが、セオリーとして覚えておくべきものです。セオリーというのは「ある程度決まった動きになる」ということなので、「このカタチができてきたから、こうなるだろう」と予測してトレードできるのです。かと言って、動いているローソク足がそのカタチを作る、ということは進行形ではもちろんわからないので「備える」「疑ってかかる」ことになりますが、知らないよりは知っている方が利益につながります。ここではなるべくすべての波動を網羅して解説しますので、ぜひ活用してください。

波形の基本「N」

チャートを見る上で基本となるのが「ダウ理論」です。ダウ理論を使って取引をするトレーダーは多くいます。ダウ理論をトレードに活かすには、まず「波形」を捉えることが大事です。なぜならダウ理論の中心であるトレンド形成は「高値・安値の更新」が前提になるからです。このトレンドの波形の基本となるのが「N」です。ここで「節目(押し目・戻り目)」にラインを引くことをマスターすることで、次のステップである「ライントレード」が可能になります。つまり高値・安値に目印のラインを引き、ブレイクアウトを狙う、反発を狙うなどのトレードが可能になるのです。

下の画像で、薄い水色の水平線は5分、15分などの短時間足で引いていくであろう節目。濃い青のラインが4時間足の節目です。短時間足では中央部分で安値が切り下がり「下目線」に切り替わりますが、4時間足では上昇が継続しています。このことからも「マルチタイムフレーム分析」は必要で、「自分はトレードする時間があまりないから15分足で」と時間足を固定してしまうと、ダウ理論を学んだとしても良い結果は残せません。どうせなら4時間足以上のチャートをきちんと見て、利益を伸ばせるようにすると良いのではないでしょうか。

この画像はN連波のトレンド相場です。「うまくラインが引けない」という人もいますが、実は波形ラインの引き方に正解はありません。「自分ならこう引く」という感覚でOKなのです。ご自分がトレードする時間軸の中で、すっきり目線が固定できるように引ければ、それが正解になるのです。ダウ理論を使うトレードでは押し目・戻り目の節目を捉え、「高値・安値の更新」をきちんと判断することが大事なのです。

そして、このN字が崩れた時に初めて「目線の変更」をすることになります。それがM(W)だったり、または逆Nになりヘッド&ショルダーを形成したりします。

チャートパターンを覚えよう

「チャートパターン」とは、非常に長い歴史を持つ相場の流れの中で繰り返し表れるカタチであり、注目を集める場面になります。大きく捉えるとトレンドの終わりに表れるサインと、保ち合い相場で表れるサインがあります。

トレンドの終わり

「M」と「W」を書きましたが、ダブルトップ・ダブルボトムのことですね。これは既に記載していますが「トレンド相場が終わるサイン」として有名なチャートパターンです。ダウ理論でいえば「高値・安値の更新」が崩れ目線が切り替わる場面です。

右の図でわかるように、節目にネックラインができますので、再度下がって来た時にネックラインを目安に反発することもあります。それがトリプルやヘッド&ショルダーにつながることもあり、またレンジ相場(ボックス)が形成されることもあります。このような場面では安易に飛び乗ることは避けて様子を見ながらのトレードをするように心がけましょう。

保ち合い相場

レンジ相場は値幅が狭い中で、上下を繰り返す値動きです。図でわかるように横に推移するボックスだけではなく、先細りになる保ち合い相場もあります。相場は「レンジ7割トレンド3割」といわれる程保ち合い相場が多いのですが、上位時間足で保ち合い相場であっても、下位時間足ではトレンドが発生しますので共存しているといってもいいでしょう。

保ち合い相場になるには理由があります。価格の調整、時間の調整、世界情勢の様子などです。この記事を書いている2022年2月はロシア・ウクライナ問題が勃発しており、どの通貨ペアを見ても保ち合いの中で推移しているのがわかります。このことから、チャート分析をする上ではテクニカル分析だけではなく、ファンダメンタルズ分析も加味する必要があるといえます。

このような有名なチャートパターンは多くのトレーダーが注目する場面になります。そのとおりに動けば大きな波が形成されていきますが、誰でも注目するところでは「ダマシ」が介入することがあるので注意は必要です。

エリオット波動理論

上図は「エリオット波動」の基本形です。上昇5波下降3波で形成され、上昇よりも下降の方が勢いがあります。エリオット波動はダウ理論からの派生であるため、やはりNが基本です。「高値・安値の更新」がトレード判断になります。ダウ理論が山ひとつで1波と捉えていますが、エリオット波動では上り1波動、下り1波動でそれぞれ数えています。内容として面白いのは、エリオット波動理論では「フラクタル」構造が採用されていることです。これは、例えば第1波から2波の中にも小さなエリオット波動ができているという考え方です。つまり下位時間足のカタチと同じようなカタチが上位時間足でも形成される、ということになります。実際にそのようなことがあるのかもしれません。そして「フィボナッチ」と組み合わせて考えることを推奨しています。

このようなことからエリオット波動理論は非常に奥深い理論になっているため、研究も盛んに行われているようです。

トレード手法としては、やはり節目にラインを引き、ブレイクアウトでエントリーするのが一般的です。例として上の図で、1にラインを引きブレイクでロングエントリー、3地点で陰線が連続したら利確というようなトレード方法になります。第3波と第5波で長いトレンドになる傾向があるため、ここでのトレードが理想的といえます。ただし、第5波に関してはラインブレイクにつながらないフェイラーという現象もあり、やはりトレンド転換サインになるので注意です。フェイラーとは、ダブルトップのように高値の更新が崩れる現象を意味します。

ウォルフ波動を使ったトレード

「ウォルフ波動」について解説します。S&P500のトレーダーであるビル・ウォルフ氏とその息子のブライアンによって考案された、ニュートンの運動法則を採用したチャートパターンを見極める理論内容です。つまり「押す力」「戻す力」を取り入れ、レンジ相場や保ち合い相場の均衡の崩れを初動で掴むことに長けたトレード方法です。

上記した保ち合いのチャートパターンでは、ラインをブレイクアウトしたことを確認してエントリーするのが一般的ですが、このウォルフ波動を使ったトレード手法は3回目の反転の初動を狙ってエントリーしてしまうというものです。割に多くトレード場面もあるのでおすすめです。

①と②を結ぶチャネルラインと、A(①)とBを結ぶウォルフラインをあらかじめ引いておきます。価格が③地点に来たらエントリー、☆地点まできたら利確決済です。保険を掛けるとしたら、チャネルラインから並行にラインを入れておくことで、☆まで持てなかったとしても、画像ではヒゲになっていますがこのラインで利確できます。

右肩上がりのフラッグは下にブレイクするのがセオリーなので、待つことができるなら☆のウォルフポイントまで待ってみましょう。

一目均衡表の波動理論

一目均衡表では波動論と値幅論を重要視しています。波の形成と推進される値幅がわかれば、エントリーと決済について明確な根拠になります。ここでは波形について記載します。

相場は右図のような6つの波動で成立しているとされています。まずNを分解してみましょう。

I波動とV波動

もっともシンプルで基本のI波動 ➡ I波動を連続させたV波動 ➡ I波動とV波動を連続させてN波動が出来上がります。V波動はスパイクとも呼ばれます。ダウ理論やエリオット波動とは違い、Nを1波として捉え、N連続でトレンド相場としています。

P波動とY波動

これはチャートパターンのペナントにあたります。Y波動が逆ペナント(ブロードニング)です。P波動は右が狭くなるペナントで、N波動から派生してブレイクします。また、Y波動からP波動が派生するとダイヤモンドフォ-メーションが形成されます。

S波動

図で示したように、レジスタンスラインをブレイクアウトした後のロールリバーサルです。レジスタンスラインがサポートラインに切り替わっています。

円形波動

ここでは「ソーサー」と「カップ&ハンドル」というトレンド転換のチャートパターンについて解説します。これは比較的よく出現するカタチなので覚えておきましょう。またフィボナッチを用いた値幅予測なども記載します。

形状がカップ(鍋)の底を連想させる波形でたびたび表れる波形です。チャートの形状が丸みを帯びていると「ソーサートップ(ボトム)」を予測できます。これは高値圏、安値圏でじわじわと長い期間をかけてトレンドが反転していくパターンです。

このカップに取っ手(ハンドル)を付け形状になることもあります。ハンドルが表れた場合、その後上昇するか下降するかはわかりません。両方の場合が確認できるようです。チャートパターンを使った「ダマシ」という可能性もありますので、注意するに越したことはありませんね。

フィボナッチで値幅を予測する

このカップ&ソーサーのカタチでは、画像ではこの後下降になるのがセオリーではありますが、例えばそのとおりに下降するとしたら、どこまで推進されるのか? それを予測できるのがフィボナッチです。上昇に対しての下降なのでリトレースメントを使用します。

表示がおぼつかなかったので月足を使用しました。安値・高値を起点としています。今後を予測するにはいくつかの候補があります。

  • ソーサートップがそのまま下落:この場合、161.8%を超えると261.8%です。
  • エリオット波動を考慮:38.2%、50.0%、61.8%で反発して1波を形成する。

画像は月足なので、%のひとつの値幅はそれなりに大きいです。現在は38.2%で反発を見せていますが、世界の状況もありますので予測が難しいといえますね。どのようにテクニカル分析ができるか考えてみてくださいね。

波形パターンまとめ

なるべく網羅しようと試みました。相場で勝利するには、この波動・波形を把握しているほうが有利なのは間違いありません。チャートの今後の動きを予測しながらトレードすること、それがトレードをする上での醍醐味です。これらを踏まえずに例えその場で勝利しても、その後の再現性はありません。トレードがうまくできるようになりたいと思うなら、まずこの波動、波形を学ぶことから始めましょう。

最初のコメントをしよう

必須