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FX【両建て】デメリットを知って賢く利益を増大する!

ギャンが提唱する『価値ある28のルール』でも「両建てはしない」と記載されています。両建てを心理的な弱さ、とするならば、ギャンはそれを認めてはいけないと考えたのかもしれません。しかし逆に、心理的な弱さをカバーするものと考えるならば、両建ても有効と捉えることができます。

両建ては何かと便利で、「使ったことがある」というトレーダーも多いと思われます。そうは言っても、メリットがわからない、処理の仕方がわからないなど、とっつきにくい側面があるのは否めません。使い方は複数あり、それぞれですが、ここではトレード戦略として使う「両建て」について解説します。両建ては、含み損を抱えた時の「苦しい対策」にもなり、また「税金対策」として使うなどの考え方もあります。推奨されていないといわれる「両建て」ですが、デメリットを知った上でうまく使いこなすことができれば、利益を積み重ねることが可能です。

「両建て」とは:デメリットを知る

「両建て」とは、同じ通貨の「買いポジション」と「売りポジション」を同時に保有することです。クロスオーダー、マッチオーダーとも呼ばれます。証券会社によっては両建てについて制限を設けているところもありますので、事前に確認しておきましょう。MAX方式を採用している会社ならデメリットを軽減できます。

両建てにする目的は、上記したような税金対策の他に、損失の拡大を防ぐ、またつなぎ売買などのトレードで「一時的に」利用することが主になっているようです。

もし含み損を抱えた場合、同じ通貨ペアで同量のポジションを持つことで、損失が原則「固定」されます。損失を固定している間にトレードプランを立て直すことができる場合があるので、そのための方法ですね。原則とした理由は、他にスプレッドコストスワップポイントがあり、長く保有すればその分損失が増えてしまうからです。口座資金がギリギリのまま両建てでポジションを持って「損益が固定された」と安心していても、いつの間にかスワップポイントで必要証拠金が不足し強制ロスカット、という事態も実際にある話なのです。ノープランでの両建ての「塩漬け」は避けるべきです。

スプレッドコスト(手数料)も、FX会社によっては「売り」「買い」両方にかかるので実質2倍。必要証拠金も2倍になります。その分、口座資金を圧迫することになるのですね。

ここまで読んで「結局含み損はそのままだし、両建てに意味はあるの?」と思うかもしれません。「負けは潔く受け入れる。損切する!」というトレーダーも多々います。「損切して、新たにポジションを持つ」方がスッキリしていますが、損切した分、口座資金は減ってしまいます。新たにポジションを持とうとしても、ロット数を減らすことになるかもしれません。

両建ては投資戦略として使われるトレード方法のひとつです。「買いポジション」「売りポジション」のどちらかひとつを保有した際、含み損を抱えた時に損切をせずに両建てにすることで、損失をカバーします。両建ての目的は「為替変動のリスクを和らげる、または回避する」ことです。

ヘッジとの違い

両建ては同じ通貨で「買い」「売り」両ポジションを持つことです。意味として同じ「ヘッジ」とは、相関性のある違う通貨や金融商品を組み合わせる方法です。例えば「ドル円」と「株式」、また「金」を組み合わせることによってリスクを小さくする保険のことです。

両建ての使い方

税金対策:初心者ではあまりないことですが、「今年は爆益だった!」「この利益を足すと税金が増額してしまう」などの対策のために一時両建てにして持ち越す、という使用方法があります。億トレーダーの方で、提示された税金額が多くてガッカリしたという話はよく聞きます。

両建てにして年内にマイナスを計上、年明けにプラスを計上することで、うまく税金を抑えることができます。とはいっても、両建てのポジションを持つことにもリスクはありますので、どちらがより適切かはよく考える必要があります。

また、兼業トレーダーでは「雑所得」となりますので、税率は20%(一律)です。

トレード戦略:こちらが主な使い方です。トレードをしていると、例えば上昇トレンド中でも「下落」する場面があります。長期上昇中の「買い」ポジションはそのまま持ち続け、短期下落場面を両建てにして利益を増やす「つなぎ(うねり)取り」というやり方などがあります。

両建てを使ったトレード戦略

  • 始めから両建てでエントリーする
  • つなぎ・うねり取りトレード
  • 経済指標を利用する
  • レンジ相場を利用する

①始めからエントリーは両建てにしてトレードする

初心者のうちは、チャート分析ができずに「動く方向」がわからないままトレードしようとします。動く方向がわからないのであれば、ポジションを両建てにしてエントリーしてみましょう。そして、含み損になった方を損切もしくはドテン、含み益になっているポジションを保有し利益を伸ばします。これは、含み損をうまく損切(ドテン)できることが条件になります。比較的ノーリスクといえる方法です。動きに惑わされてしまうようなら中止して、冷静になることを優先しましょう。方向がわからない以上、ポジションは早めに決済することをおすすめします。

ドテン(途転):損切と同時に、反対のポジションを新しく持ちます。

また、含み損を保有したまま右図のように相場が戻り、含み損がなくなったら決済するやり方もあります。長時間の保有になりますが、これが理想的と思う人も多いですね。しかし実際は、相場がそのように都合よく動いてくれるかは不明であり、含み損を抱えたままでは大きな精神的ストレスまで抱えることになります。

②長期間のトレードの中で、短期の利益をプラスする「つなぎ(うねり)売買」

もっとも使われているといわれる方法です。トレンド中、長期で取引をしている間の「調整場面の短期の動きを両建て」にして、利益を上乗せする方法です。エリオット波動でいえば、2波・4波の戻り部分を両建てにします。トレンドで利益がのっている間に、戻り部分の利益がプラスされます。このような方法を「つなぎ」「うねり取り」と呼びます。

この方法は、こまめなチャート分析をする必要があり、また取引が複雑になりがちです。簡単な取引ではありませんので、初心者は経験を積むことが望まれます。比較的わかりやすく管理するには、取引口座を分けるという方法がありますが、証券会社を分けるなど、あくまで規約違反にならないように前もって調べておきましょう。

③経済指標の急変を利益に変える

大きな指標発表時にはポジションを持たない、と考えるトレーダーが多いですが、ここで敢えて両建てにしてしまう方法です。例えば「米雇用統計*」のように大きく動く指標発表前に両建てで仕込んでおき、損失が出た方をすぐに決済、利益がのびたところで残りを決済します。極短時間で利益を積める方法ですが、これも瞬時の判断が必要になります。また、損切と利確をあらかじめ指値で入れておくことも可能です。値動きが激しい場合、スリッページで自分の決めた価格での約定ができないことがあります。また「行って来い」の相場になると往復ビンタを喰らうことになり、マイナスにつながることもあるので注意が必要です。

米雇用統計:毎月第1金曜日 22:30(夏時間は21:30)

また経済指標の他に、要人発言で大きく値動きする場合がありますが、こちらは内容に振り回されることがあるため、おすすめはできません。

④レンジ相場を利用する

レンジ相場は、両建てにすることで利益を狙いやすいところです。レジスタンス&サポートラインで建て玉を保有し、利益が出た方から利確して、価格が戻るのを待ってもう片方を利確することで利益を増大します。水平線間のレンジ相場だけではなく、トレンドラインとチャネルライン間を用いたトレードも可能です。ラインブレイクしてトレンドになってしまうと、片方の損益を取り戻すことが難しくなりますので、ブレイクを確認したら即時決済しなければなりません。

不利なスワップポイントを有利にするサヤ取り

サヤ取りとは、A会社で「買い」ポジション、B会社で「売り」ポジションを保有し、スワップポイントを有利にすることです。これはスワップポイントが高い通貨を選び、同じ通貨で金利が高い会社と安い会社を組み合わせて両建てにすることで、少しづつでも利益が毎日のってくる、というやり方です。トレード収支は+-0になりますが、スワップポイント分だけプラスになっていくのです。小さい金額でも「塵も積もれば」ですね。これがよく聞く「スワップ狙い」のことです。

両建て仕様の自動売買(EA)

EAは自動で取引をしてくれる便利なシステムです。EAを採用している多くの証券会社ではMAX方式を取り入れているので、EAの両建てについては必要証拠金は倍になることはありません。ロット数に差異がある場合は、多い方に証拠金が課せられます。EAを検討しているなら、MAX方式を採用している会社かどうかをまずチェックしましょう。

両建て系のEAは、レンジ相場を考慮していますが、トレンド相場での動きは「含み損が急増する」、または「利確の嵐になる」どちらかです。必要証拠金不足にならないように、口座資金に余裕をもたせて運用することが望まれます。また、両建ての場合は、運用を止めるきっかけが難しいです。いつも含み損を抱えている状態なので、そのまま止める時は「損切」になりダメージを負います。利確額と比べて損切額が大きくならないように、ある程度の裁量トレードが必要になるでしょう。

両建ての手仕舞い

「いざ両建てにしたはいいけど、どうやって外していけばいいの?」と両建ての手仕舞いに悩み、結局わからずに「そのまま同時決済して終わりにした」などの話をよく聞きます。これではせっかく両建てにした意味がなくなってしまいますよね。これは含み損を抱えてやむなく両建てにした、というノープランの両建てで起こることです。

本来であれば、自分のポジションを有利に運ぶために両建てをするのですが、含み損の損失固定を目的にすると手仕舞いも少々難しくなります。テクニカル分析をし直して、なるべく有利な価格でそれぞれ決済をしたり、ドテンするなどの工夫が必要です。有利なポジションを残しながら、不利な方は少しずつ減らしていくので、それなりの時間とテクニックが必要になります。両建てはプランどおりに行うことでしっかり利益を出せる方法です。

「両建て」の「ナンピン手法」を使うには:まとめ

両建てを使った「ナンピン手法」があります。例えば、「買い」ポジションを持ったところ含み損になってしまった。「売り」ポジションを持って両建てにする時に、さらに一緒に「買い」ポジションを同量増やす方法です。

「買い」ポジション*1、両建て*1 にします。(常に「買い」ポジションが1多い状態)

その後、下落トレンドが続く中、「両建て」のポジションを同量ずつ増やしていきます。下落が続くと「売り」ポジションが利益になります。含み損になった複数の「買い」ポジションと利益になった「売り」ポジションを、損益が0以上プラスになるように組み合わせて決済していきます。

チャートは上がったり下がったりして進むので、時間が経てば含み損も減るのですが、トレンドが長く続く場合は含み損になったポジションをいつまでも持つことになります。それでもその状況を続けると、利確した分が含み損額を超える時がくるのです。

このやり方は、細心の注意と利確コントロールで、利益がのってきますが、トレードに慣れた人向きの方法になります。

両建てをする場合、すべてはトレードプランに沿った上で取引ができるかどうかです。うまくコントロールすることで利益を出すのが両建て手法です。両建てをするにも経験が必要です。デモトレードなどを利用して練習してみましょう。

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