【週報】2026年9月5日号:日銀利上げ観測で円全面高、ドル円は155円台に急落
この記事を読むとこうなります
→ 今週のドル円・ユーロドル・ポンド円・ゴールド・ビットコインのトレンドが週足・日足・4時間足で一目で分かります
→ 日銀・FRB・ECB・BOEの政策金利と金利差の動向が分かります
→ 今週の値動きを動かした主要材料と、来週の相場シナリオ・注目の経済指標が分かります
⚠️ 本レポートは執筆時点の相場情報です。相場は経済指標の結果・要人発言・地政学リスクなどによって方向性が急変することがあり、記載のトレンドや見通しは将来の値動きを保証するものではありません。取引は必ずご自身の判断と責任で行ってください。
今週のトレンド一覧
移動平均線の並び(パーフェクトオーダーなど)とダウ理論による高値・安値の切り上げ/切り下げ判定をもとにした、主要5資産の週足・日足・4時間足トレンド状況です(2026年9月5日時点)。
| 資産 | 時間軸 | 価格 | 移動平均トレンド | ダウ理論 |
|---|---|---|---|---|
| USD/JPY | 週足 | 156.218 | 下降バイアス | 収束(保ち合いの可能性) |
| 日足 | 156.218 | 下降バイアス | 拡大レンジ | |
| 4時間足 | 156.218 | 下降トレンド(パーフェクトオーダー) | 下降トレンド継続 | |
| EUR/USD | 週足 | 1.161 | レンジ | 下降トレンド継続 |
| 日足 | 1.161 | 上昇バイアス | 収束(保ち合いの可能性) | |
| 4時間足 | 1.161 | レンジ | 収束(保ち合いの可能性) | |
| GBP/JPY | 週足 | 211.155 | レンジ | 収束(保ち合いの可能性) |
| 日足 | 211.155 | 下降バイアス | 上昇トレンド継続 | |
| 4時間足 | 211.155 | 下降トレンド(パーフェクトオーダー) | 下降トレンド継続 | |
| GOLD (XAU/USD) | 週足 | 4431.21 | レンジ | 収束(保ち合いの可能性) |
| 日足 | 4431.21 | レンジ | 収束(保ち合いの可能性) | |
| 4時間足 | 4431.21 | レンジ | 収束(保ち合いの可能性) | |
| BTC/USD | 週足 | 79604.06 | レンジ | 下降トレンド継続 |
| 日足 | 79604.06 | 上昇バイアス | 上昇トレンド継続 | |
| 4時間足 | 79604.06 | 上昇トレンド(パーフェクトオーダー) | 上昇トレンド継続 |
※価格はMT5(XS Fintech)のデータに基づき、日足はUTC基準で区切っています。TradingView等の他チャートとは表示タイムゾーンや参照取引所が異なるため、数値が多少異なる場合があります。
ドル円とポンド円はいずれも4時間足で下降のパーフェクトオーダーを形成しており、目先は円買い優勢の展開です。他の代表的な指標で見ても両ペアとも週足・日足・4時間足のすべてで売り優勢の評価となっており、短期的には見方が揃っていると言えそうです。一方でゴールドは週足・日足・4時間足のすべてでレンジ判定となっており、方向感の乏しい値固めの状態が続いています。ダウ理論による高値・安値の切り上げ・切り下げで見ても、ゴールドは「収束(保ち合いの可能性)」が3つの時間軸すべてで一致しており、次の方向感を模索する局面にあると読み取れます。ビットコインは日足・4時間足では上昇バイアスが続く一方、週足ではレンジにとどまっており、短期の底堅さと中期的な方向感の乏しさが同居する展開です。
主要中銀の政策金利と金利差
FRB(米連邦準備制度)は3月・4月・6月・7月の会合で政策金利を3.75%に据え置いており、次回9月16日の会合についてはまだ市場予想が示されていません。日銀は6月会合で0.75%から1.00%への利上げを決定し、7月は据え置きとしましたが、次回9月18日の会合では1.25%への追加利上げが市場で織り込まれています。ECB(欧州中央銀行)は6月に2.15%から2.40%へ利上げを決定して以降7月は据え置きとしており、次回9月10日の会合では2.65%への再利上げが市場予想として示されています。英国(BOE)は3月以降の会合ですべて3.75%の据え置きが続いており、次回9月17日の会合の市場予想はまだ示されていません。
米ドル/円の金利差は縮小傾向にあり、日銀の利上げがFRBとの金利差を着実に縮めている構図です。ポンド/円の金利差も同様に縮小傾向で推移しており、日銀の政策変更がクロス円全体の円買い材料として意識されやすい地合いです。一方でユーロ/ドルの金利差はマイナス圏ながら縮小傾向にあり、ECBの利上げ姿勢がユーロの底支え要因になっています。来週のECB会合でさらに金利差が縮小する可能性がある点は、ユーロドルの上昇バイアスとも整合的です。
ドル円・ポンド円を動かしている材料
ドル円は今週、米8月雇用統計が良好な内容となったことでFRBの早期利上げ観測が再燃し、一時156円75銭付近まで値を上げる場面がありました。しかし日銀が9月会合で追加利上げに動くとの観測が根強く、その後は155円34銭付近まで急落するなど、雇用統計によるドル買いと日銀の利上げ観測による円買いがせめぎ合う一週間となりました。週足・日足ともに下降バイアスを維持しており、目先は円買い優勢の地合いが続いています。ポンド円も日銀の利上げ観測を背景にした円買いの影響を受けやすく、4時間足では下降のパーフェクトオーダーを形成するなど、上値の重い展開となっています。
ユーロドルは1.16ドル台で推移し、日足ベースではやや上昇バイアスが見られます。ユーロ圏のインフレ指標が予想を上回る強さを見せたことでECBの追加利上げ観測が後押しとなった一方、米雇用統計を受けたドル買いが上値を抑える形となり、方向感の定まりにくい展開でした。
ゴールドは4,431ドル前後でのレンジ推移にとどまりました。今月初旬には中東情勢を巡る緊張の高まりからアジア株が急落するなど、リスクオフの地合いが一時強まりましたが、その後は米雇用統計を受けたドル買いが金の上値を抑える方向に働き、方向感の乏しい値固めとなっています。ビットコインは今月初旬の軟調な地合いから持ち直しの動きを見せており、日足・4時間足では上昇バイアスが継続しています。本格的に売買を始める前には、仮想通貨での入出金方法もあわせて確認しておくと安心です。
今週の主要経済指標
- 米8月雇用統計:市場予想を上回る強い内容となり、FRBの早期利上げ観測とドル買いが再燃
- 日銀の9月利上げ観測:追加利上げやその後のペース加速を織り込む円買いが優勢に
- ユーロ圏インフレ指標:予想を上回る強さとなり、ECBの追加利上げ観測を後押し
- 中東情勢を巡る緊張の高まり:月初にリスクオフ地合いが強まる場面があったが、その後は米雇用統計を受けたドル買いが金の上値を抑制
- ビットコイン:月初の軟調地合いから持ち直し、ETF資金流入などを背景に底堅さを取り戻す動き
来週の重要経済指標
| 日時 | 国 | 指標名 | 重要度 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 09/08(火) 12:00 | 中国 | 輸出額(前年比) | 高 | ― | 23.9 |
| 09/08(火) 12:00 | 中国 | 貿易収支 | 高 | 120.1 | 112.5 |
| 09/08(火) 12:00 | 中国 | 輸入額(前年比) | 高 | ― | 27.5 |
| 09/09(水) 10:30 | 中国 | 消費者物価指数(前年比) | 高 | 0.9 | 0.5 |
| 09/10(木) 21:15 | ユーロ圏 | 中銀預金金利 | 高 | 2.5 | 2.25 |
| 09/10(木) 21:15 | ユーロ圏 | ECB政策金利発表 | 高 | 2.65 | 2.4 |
| 09/10(木) 21:30 | 米国 | 生産者物価指数(前月比) | 高 | 0.3 | 0 |
| 09/10(木) 21:45 | ユーロ圏 | ECB総裁記者会見 | 高 | ― | ― |
| 09/10(木) 23:00 | 米国 | 中古住宅販売件数 | 高 | 4.03 | 4.06 |
| 09/11(金) 15:00 | 英国 | GDP(前月比) | 高 | 0 | 0.3 |
| 09/11(金) 21:30 | 米国 | コア消費者物価指数(前年比) | 高 | ― | 2.5 |
| 09/11(金) 21:30 | 米国 | 消費者物価指数(前年比) | 高 | ― | 3.4 |
| 09/11(金) 21:30 | 米国 | コア消費者物価指数(前月比) | 高 | 0.2 | 0.2 |
| 09/11(金) 21:30 | 米国 | 消費者物価指数(前月比) | 高 | 0.4 | 0.1 |
| 09/11(金) 23:00 | 米国 | ミシガン大学消費者信頼感指数(速報値) | 高 | ― | 51.7 |
来週のシナリオ
メインシナリオ:来週は9月10日のECB理事会、9月11日の米消費者物価指数(CPI)という二大イベントが控えています。ECBは2.65%への追加利上げが市場で織り込まれており、決定通りとなればユーロの下支え材料となりそうです。米CPIは9月16日のFOMCを控えた最後の重要指標であり、結果次第ではFRBの利上げペースを巡る思惑が大きく振れる可能性があります。ドル円・ポンド円については、9月18日の日銀会合を見据えた円買い地合いが続きやすく、155円台を中心とした一進一退の展開が想定されます。中国の貿易統計(9月8日)や消費者物価指数(9月9日)も、リスク選好の地合いを左右する材料として注目しておきたいところです。
サブシナリオ:米CPIが予想を上回る強い結果となれば、FRBの利上げ観測が一段と強まり、ドル買いが優勢となってドル円やユーロドルが上に振れる可能性があります。逆にECBが利上げを見送る、あるいは米CPIが弱含めば、日銀の利上げ観測とあわせて円買い・ユーロ買いが強まりやすく、ドル円は155円を割り込む展開も想定しておきたいところです。中東情勢が再び緊迫化した場合は、リスクオフからゴールドが上値を試す一方、ビットコインは上値の重い展開に転じる可能性もあります。
まとめ
- ドル円・ポンド円は日銀の9月利上げ観測を背景に円買い優勢、4時間足では両ペアとも下降のパーフェクトオーダーを形成
- ユーロドルはECBの利上げ観測とFRBの利上げ観測がせめぎ合い、1.16ドル台で方向感の乏しい展開
- ゴールドは週足・日足・4時間足すべてでレンジ判定、地政学リスクとドル買いの綱引きが続く
- 来週はECB理事会(9/10)・米CPI(9/11)が最大の焦点、9月16日FOMC・9月18日日銀会合を見据えた思惑が相場を左右しそうです
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