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米雇用統計とは?見方と発表時刻、過去10年のデータで見る為替の動き【2026年】

米雇用統計を、働く様々な職業の人々と、歯車、グラフで表した図

読む前にご確認ください:発表日時や数値は変更・改定されることがあります。本記事は一般的な見方と過去データの集計をまとめたもので、将来の値動きを保証するものではありません。発表前には、必ず最新のカレンダーでご確認ください。

米雇用統計とは?見方と発表時刻、過去10年のデータで見る為替の動き【2026年】

FXをしていると、毎月第1金曜の夜にチャートが急に動く場面に出会います。その正体が、米雇用統計です。為替市場で最も注目される経済指標のひとつで、発表の瞬間に数十pips動くことも珍しくありません。

この記事では、米雇用統計の基本、見るべき数字、発表時刻を整理したうえで、過去10年分の発表を集計し、「どんな結果のときに、どう動いたか」をデータで確認します。

この記事でわかること
・米雇用統計とは何か、どこが発表しているか
・注目される3つの数字(非農業部門雇用者数・失業率・平均時給)
・発表時刻(日本時間)と、夏時間・冬時間のずれ
・発表を見るときの4つのポイント
・過去10年の「前回・予想・結果」と、発表後の値動きの傾向

発表日程の確認方法は、FX経済指標カレンダーの見方と使い方で解説しています。

米雇用統計とは

米雇用統計は、米国の労働省にある労働統計局(BLS)が、原則として毎月第1金曜に発表する、雇用の状況をまとめた統計です。米国の景気の強さを測る代表的な材料であり、FRB(米連邦準備制度理事会)が金利を上げるか下げるかを考える際にも重視されます。そのため、発表のたびにドルを中心に為替が大きく動きます。

注目される3つの数字

項目 意味
非農業部門雇用者数(NFP) 農業以外の分野で、雇用者が前月からどれだけ増えた(減った)かを示します。最も注目される数字です。
失業率 働く意思があり、仕事を探している人が、働く人全体に占める割合です。
平均時給 賃金の伸びを示します。前月比と前年同月比があり、物価(インフレ)への影響を通じて、金利の見通しにつながります。

2つの調査から作られている

雇用者数と平均時給は、企業や事業所を対象にした「事業所調査」から、失業率は世帯を対象にした「家計調査」から作られています。「雇用者数は企業側の調査、失業率は個人側の調査」と覚えておくと、数字がずれて見えるときにも落ち着いて読めます。

発表時刻(日本時間)

発表は米東部時間の朝8時30分です。日本時間にすると、米国が夏時間の間は21時30分、冬時間の間は22時30分になります。2026年は、3月第2日曜に夏時間が始まり、11月第1日曜に終わります。政府機関の閉鎖などで、発表日が延期されることもあります。

発表を見るときの4つのポイント

  1. 予想との差を見る:相場が反応するのは、数字そのものより「予想よりどれだけ強かったか、弱かったか」です。
  2. 前月・前々月の改定を見る:過去分が修正されることがあり、ヘッドラインが予想通りでも、改定で印象が変わることがあります。
  3. 3か月平均で基調を見る:1か月の数字は振れが大きいため、数か月の平均で流れを確認します。
  4. 賃金の伸びを確認する:雇用が強くても、賃金の伸びが鈍ければ、利上げ観測は強まりにくくなります。

なぜ為替が動くのか

雇用が強い(予想を上回る)と、米国の景気は堅調と見られ、金利が下がりにくい、あるいは上がりやすいという見方が強まって、ドルが買われやすくなります。反対に、予想を大きく下回ると、景気減速や利下げが意識され、ドルが売られやすくなります。ただし、その時々の金利の局面や、市場がすでに織り込んでいた内容によっては、一般的な反応と逆になることもあります。

実際の事例:2024年8月2日の発表

2024年7月分の発表では、非農業部門雇用者数が結果114千人、予想175千人、前回179千人(改定後)でした。予想を大きく下回ったこの発表の後、ドル円は発表直前の148.98円から、30秒後に147.88円(約110pips下落)、5分後には147.16円(約182pips下落)まで動きました。その日のNY市場の引けは146.57円でした(Dukascopyの価格データに基づく)。

ドル円・ユーロドル・ゴールドを並べて比べると

値は、いずれも発表の直前の価格を基準にした変化幅です。ドルが買われる(ドル高の)材料のとき、ドル円は上がり、ユーロドルとゴールドは下がります。そのため、表の符号は銘柄ごとに逆向きになります。

銘柄 上振れ時の30秒後(平均) 下振れ時の30秒後(平均) ズレから想定される
ドルの方向との一致率(30秒後)
発表前5分の値幅(平均) 発表後5分間の値幅(平均)
ドル円 +25.2pips -27.3pips 89% 8.2pips 55.5pips
ユーロドル -18.6pips +19.6pips 85% 6.7pips 39.5pips
ゴールド -6.7ドル +8.3ドル 83% 3.0ドル 14.0ドル
  • 雇用統計では、3銘柄とも、予想とのズレから想定されるドルの方向と、30秒後の動きが一致した割合は83〜89%でした。どの銘柄でも、反応の向きは同じ(ドルの強弱)で、規模だけが違います。
  • 発表後5分間の値幅は、発表前5分の約5〜7倍になりました。発表前は静かで、発表後に一気に動く傾向は、3銘柄に共通しています。

グラフで見る、発表前後の値動き(ドル円)

米雇用統計の発表前後の、ドル円の平均的な値動き。上振れ・ほぼ予想通り・下振れ別の折れ線グラフ
予想とのズレの区分ごとの、発表直前からの平均的な値動き。

グラフの元の数値(単位:pips)

区分 件数 発表前30分 発表前5分 発表直前 30秒後 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け
上振れ 52 +0.7 +0.8 0 +25.2 +24.9 +27.3 +24.2 +28.9 +21.0 +25.8
ほぼ予想通り 27 +2.7 +2.0 0 -0.9 -3.7 -4.0 -0.4 +0.7 -1.8 -5.7
下振れ 36 0 +0.2 0 -27.3 -30.0 -35.4 -36.3 -32.1 -28.9 -32.5
米雇用統計:発表前5分の値幅と、発表後の平均の絶対変動(ドル円)の棒グラフ
発表前は静かで、発表後に一気に動きます。

グラフの元の数値(単位:pips、115回の平均)

発表前5分の値幅 30秒後 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け
8.2 28.3 31.6 34.6 34.4 37.2 39.0 51.9
米雇用統計への、年別のドル円の反応の大きさ(30秒後の平均の絶対変動)
近年、発表への反応が大きくなっています。

グラフの元の数値(単位:pips)

年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年 2024年 2025年 2026年
回数 4 12 12 12 6 12 12 12 12 11 10
30秒後の平均の絶対変動 26.0 26.6 14.6 13.4 8.1 14.5 25.6 45.7 55.1 36.3 35.6

過去10年のデータで見る、雇用統計の発表後の値動き(ドル円)

データから分かること

  • 予想とのズレの方向に、素直に動く:上振れの52回では、30秒後に平均+25.2pips、87%の回で上昇しました。下振れの36回では、30秒後に平均-27.3pipsで、上昇した回は8%でした。予想とのズレから想定されるドルの方向と、30秒後の実際の動きが一致した割合は89%でした。
  • 予想通りだと、方向は出ない:ほぼ予想通りの27回の平均は、30秒後で-0.8pips、1時間後で-1.8pipsと小さく、はっきりした方向は出ませんでした。
  • 発表前は静か、発表後は急に動く:発表前5分の値幅は平均8.2pipsですが、発表後5分間の値幅は平均55.5pipsでした(約7倍)。
  • 最初の動きは、その後も続きやすい:30秒後の方向が、5分後も同じだった割合は84%、1時間後で79%、NY引けで70%でした。時間が経つほど、最初の方向に動き続ける割合は下がります。引け時点で、ズレから想定されるドルの方向と一致した割合は66%です。
  • 近年のほうが、反応が大きい:30秒後の平均の絶対変動は、2016〜2021年の16.9pipsに対し、2022〜2026年は39.8pipsでした。金融政策への影響が大きい局面ほど、雇用統計の重みが増していると考えられます。
ドル円の表(ズレ別の値動き・絶対変動・直近12回)を開く

集計の前提です。価格はDukascopyの公開データ(bid/askの中値)を使い、変化幅は「発表の直前の価格」との差をpipsで示しています。プラスはドル円が上昇(ドル高)したことを表します。括弧内の「上昇」は、その時点で発表前より上がっていた回数の割合です。NY引けは、米国東部時間の17時(日本時間の6時または7時)の価格です。

予想とのズレ別に見た、発表後の値動き(ドル円・平均)

2016年9月〜2026年10月の雇用統計のうち、予想が取れた115回が対象です(2020年3〜8月の6回は、コロナ禍で雇用者数の変動が桁違いだったため除外しました)。非農業部門雇用者数の「結果−予想」で、3つに分けています。

区分 件数 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け
上振れ(予想より25千人超) 52 +25.2
(上昇87%)
+24.9
(上昇81%)
+27.3
(上昇71%)
+24.2
(上昇77%)
+28.9
(上昇71%)
+21.0
(上昇65%)
+25.8
(上昇65%)
ほぼ予想通り(±25千人) 27 -0.8
(上昇41%)
-3.7
(上昇44%)
-4.0
(上昇48%)
-0.4
(上昇48%)
+0.7
(上昇52%)
-1.8
(上昇52%)
-5.7
(上昇59%)
下振れ(予想より25千人超低い) 36 -27.3
(上昇8%)
-30.0
(上昇14%)
-35.4
(上昇14%)
-36.3
(上昇17%)
-32.1
(上昇22%)
-28.9
(上昇25%)
-32.5
(上昇33%)
大幅な上振れ(+100千人以上) 19 +29.0
(上昇89%)
+30.6
(上昇89%)
+31.5
(上昇74%)
+34.9
(上昇84%)
+42.0
(上昇79%)
+38.2
(上昇68%)
+48.9
(上昇79%)
大幅な下振れ(-100千人以下) 14 -22.5
(上昇7%)
-22.9
(上昇14%)
-25.1
(上昇14%)
-29.7
(上昇21%)
-21.4
(上昇36%)
-16.4
(上昇29%)
-13.2
(上昇43%)
全体 115 +2.7
(上昇51%)
+1.0
(上昇51%)
+0.3
(上昇48%)
-0.5
(上昇51%)
+3.2
(上昇51%)
+0.0
(上昇50%)
+0.1
(上昇54%)

平均の絶対変動(ドル円・方向を無視した動きの大きさ)

発表前の静けさと、発表後の動きの大きさを比べるため、プラスマイナスを無視した平均の変動幅を出しました。

区分 件数 発表前5分の値幅(平均) 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け 発表後5分間の値幅(平均)
全体 115 8.2 28.3 31.6 34.6 34.4 37.2 39.0 51.9 55.5
上振れ 52 7.1 31.2 34.4 37.3 35.8 42.7 43.4 56.1 56.3
ほぼ予想通り 27 11.7 21.4 25.1 24.5 23.4 26.2 30.8 50.3 56.5
下振れ 36 7.2 29.3 32.6 38.4 40.6 37.5 38.8 47.1 53.6

直近12回の一覧

前回・予想・結果は、非農業部門雇用者数(単位は千人)です。値動きは、発表直前の価格からの変化幅(pips)です。

発表日 前回 予想 結果 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け
2026-10-02 133 90 29 -33.4 -35.1 -44.5 -49.6 -37.8 -12.2 +31.2
2026-09-04 21 56 162 +52.5 +65.5 +45.0 +23.4 -35.6 -41.8 +21.3
2026-08-07 20 80 -23 -57.2 -60.4 -150.4 -126.3 -96.1 -94.3 -56.2
2026-07-02 129 110 57 -42.6 -39.6 -84.3 -84.5 -51.6 -42.8 -44.4
2026-06-05 179 85 172 +6.2 +9.2 +11.5 +9.6 +31.7 +26.6 +40.8
2026-05-08 185 62 115 -8.7 -3.7 -18.2 -16.4 -9.9 -24.7 -6.8
2026-04-03 -133 60 178 +10.4 +8.5 +9.6 +1.6 +5.3 -1.1 +10.0
2026-03-06 126 59 -92 -39.7 -33.6 -37.8 -39.0 +0.9 +14.0 -9.0
2026-02-11 48 70 130 +92.9 +88.1 +94.5 -51.0 +31.9 +35.1 -25.8
2026-01-09 56 60 50 +12.3 +7.1 -8.7 +1.0 -8.5 +36.2 +32.6
2025-12-16 -105 50 64 -13.4 -18.5 +3.4 -1.6 +1.7 +9.1 +2.2
2025-11-20 -4 50 119 +14.3 -24.9 -9.4 -22.2 -1.6 +2.7 -11.1


過去10年のデータで見る、雇用統計の発表後の値動き(ユーロドル)

データから分かること

  • 予想とのズレの方向に、素直に動く:上振れ(ドル高の材料)の52回では、30秒後に平均-18.6pips、17%の回で上昇しました。下振れ(ドル安の材料)の36回では、30秒後に平均+19.6pipsで、上昇した回は89%でした。予想とのズレから想定されるドルの方向と、30秒後の実際の動きが一致した割合は85%でした。
  • 予想通りだと、方向は出ない:ほぼ予想通りの27回の平均は、30秒後で+3.0pips、1時間後で-0.2pipsと小さく、はっきりした方向は出ませんでした。
  • 発表前は静か、発表後は急に動く:発表前5分の値幅は平均6.7pipsですが、発表後5分間の値幅は平均39.5pipsでした(約6倍)。
  • 最初の動きは、その後も続きやすい:30秒後の方向が、5分後も同じだった割合は83%、1時間後で77%、NY引けで68%でした。時間が経つほど、最初の方向に動き続ける割合は下がります。引け時点で、ズレから想定されるドルの方向と一致した割合は64%です。
  • 近年のほうが、反応が大きい:30秒後の平均の絶対変動は、2016〜2021年の16.3pipsに対し、2022〜2026年は26.1pipsでした。金融政策への影響が大きい局面ほど、雇用統計の重みが増していると考えられます。
ユーロドルの表(ズレ別の値動き・絶対変動・直近12回)を開く

集計の前提です。価格はDukascopyの公開データ(bid/askの中値)を使い、変化幅は「発表の直前の価格」との差をpipsで示しています。プラスはユーロドルが上昇(ユーロ高・ドル安)したことを表します。括弧内の「上昇」は、その時点で発表前より上がっていた回数の割合です。NY引けは、米国東部時間の17時(日本時間の6時または7時)の価格です。

予想とのズレ別に見た、発表後の値動き(ユーロドル・平均)

2016年9月〜2026年10月の雇用統計のうち、予想が取れた115回が対象です(2020年3〜8月の6回は、コロナ禍で雇用者数の変動が桁違いだったため除外しました)。非農業部門雇用者数の「結果−予想」で、3つに分けています。

区分 件数 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け
上振れ(予想より25千人超) 52 -18.6
(上昇17%)
-17.0
(上昇25%)
-16.1
(上昇31%)
-14.8
(上昇33%)
-18.2
(上昇29%)
-13.0
(上昇37%)
-13.3
(上昇35%)
ほぼ予想通り(±25千人) 27 +3.0
(上昇63%)
+3.3
(上昇59%)
+4.1
(上昇63%)
+1.0
(上昇56%)
-2.6
(上昇52%)
-0.2
(上昇48%)
+0.9
(上昇41%)
下振れ(予想より25千人超低い) 36 +19.6
(上昇89%)
+22.3
(上昇86%)
+22.9
(上昇75%)
+21.9
(上昇81%)
+21.2
(上昇75%)
+19.1
(上昇69%)
+18.9
(上昇61%)
大幅な上振れ(+100千人以上) 19 -22.2
(上昇11%)
-22.1
(上昇21%)
-20.4
(上昇21%)
-21.3
(上昇21%)
-26.5
(上昇16%)
-22.4
(上昇32%)
-17.1
(上昇32%)
大幅な下振れ(-100千人以下) 14 +17.0
(上昇86%)
+18.1
(上昇86%)
+14.9
(上昇64%)
+19.6
(上昇79%)
+14.3
(上昇71%)
+13.9
(上昇71%)
+20.5
(上昇71%)
全体 115 -1.5
(上昇50%)
+0.1
(上昇52%)
+0.8
(上昇52%)
+0.4
(上昇53%)
-2.2
(上昇49%)
+0.0
(上昇50%)
+0.1
(上昇44%)

平均の絶対変動(ユーロドル・方向を無視した動きの大きさ)

発表前の静けさと、発表後の動きの大きさを比べるため、プラスマイナスを無視した平均の変動幅を出しました。

区分 件数 発表前5分の値幅(平均) 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け 発表後5分間の値幅(平均)
全体 115 6.7 21.2 22.5 24.2 23.8 27.1 27.5 38.8 39.5
上振れ 52 6.0 22.8 23.9 25.4 25.0 29.7 28.2 39.5 40.1
ほぼ予想通り 27 7.3 17.4 16.7 19.8 18.3 20.8 23.4 39.6 38.9
下振れ 36 7.3 21.6 24.8 25.8 26.1 28.0 29.7 37.2 39.2

直近12回の一覧

前回・予想・結果は、非農業部門雇用者数(単位は千人)です。値動きは、発表直前の価格からの変化幅(pips)です。

発表日 前回 予想 結果 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け
2026-10-02 133 90 29 +13.4 +12.4 +14.9 +17.8 +27.0 +19.1 +22.5
2026-09-04 21 56 162 -28.4 -37.5 -31.7 -29.8 -24.6 -11.4 -12.5
2026-08-07 20 80 -23 +30.4 +36.8 +44.0 +45.2 +44.6 +41.8 +30.3
2026-07-02 129 110 57 +31.0 +39.6 +50.5 +63.2 +52.1 +41.8 +32.5
2026-06-05 179 85 172 -18.1 -18.5 -20.3 -25.1 -48.9 -50.7 -113.3
2026-05-08 185 62 115 +3.2 -0.4 +12.8 +13.5 +9.3 +12.9 +21.2
2026-04-03 -133 60 178 -14.5 -12.0 -15.2 -12.4 -12.6 -12.4 -25.2
2026-03-06 126 59 -92 +19.0 +15.4 +25.0 +27.3 -9.9 -7.3 +53.3
2026-02-11 48 70 130 -56.5 -55.7 -54.0 -31.9 -39.1 -36.9 -29.4
2026-01-09 56 60 50 -8.4 -4.6 +7.6 +3.5 +1.3 -5.7 -9.6
2025-12-16 -105 50 64 +11.0 +16.1 +8.9 +6.6 +5.3 +12.7 -23.6
2025-11-20 -4 50 119 -5.7 +14.4 +11.4 +23.6 +13.3 +29.4 +13.5


過去10年のデータで見る、雇用統計の発表後の値動き(ゴールド)

データから分かること

  • 予想とのズレの方向に、素直に動く:上振れ(ドル高の材料)の50回では、30秒後に平均-6.7ドル、20%の回で上昇しました。下振れ(ドル安の材料)の36回では、30秒後に平均+8.3ドルで、上昇した回は86%でした。予想とのズレから想定されるドルの方向と、30秒後の実際の動きが一致した割合は83%でした。
  • 予想通りだと、方向は出ない:ほぼ予想通りの26回の平均は、30秒後で+0.5ドル、1時間後で+1.6ドルと小さく、はっきりした方向は出ませんでした。
  • 発表前は静か、発表後は急に動く:発表前5分の値幅は平均3.0ドルですが、発表後5分間の値幅は平均14.0ドルでした(約5倍)。
  • 最初の動きは、その後も続きやすい:30秒後の方向が、5分後も同じだった割合は87%、1時間後で79%、NY引けで68%でした。時間が経つほど、最初の方向に動き続ける割合は下がります。引け時点で、ズレから想定されるドルの方向と一致した割合は62%です。
  • 近年のほうが、反応が大きい:30秒後の平均の絶対変動は、2016〜2021年の3.9ドルに対し、2022〜2026年は10.4ドルでした。金融政策への影響が大きい局面ほど、雇用統計の重みが増していると考えられます。
ゴールドの表(ズレ別の値動き・絶対変動・直近12回)を開く

集計の前提です。価格はDukascopyの公開データ(bid/askの中値)を使い、変化幅は「発表の直前の価格」との差をドルで示しています。プラスはゴールドが上昇(ゴールド高)したことを表します。括弧内の「上昇」は、その時点で発表前より上がっていた回数の割合です。NY引けは、米国東部時間の17時(日本時間の6時または7時)の価格です。

予想とのズレ別に見た、発表後の値動き(ゴールド・平均)

2016年9月〜2026年10月の雇用統計のうち、予想が取れた112回が対象です(2020年3〜8月の6回は、コロナ禍で雇用者数の変動が桁違いだったため除外しました)。非農業部門雇用者数の「結果−予想」で、3つに分けています。

区分 件数 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け
上振れ(予想より25千人超) 50 -6.7
(上昇20%)
-7.3
(上昇20%)
-6.4
(上昇28%)
-6.3
(上昇34%)
-8.1
(上昇32%)
-6.0
(上昇38%)
-6.6
(上昇42%)
ほぼ予想通り(±25千人) 26 +0.5
(上昇62%)
+0.6
(上昇46%)
+2.0
(上昇65%)
+1.5
(上昇62%)
+0.3
(上昇58%)
+1.6
(上昇65%)
+0.7
(上昇54%)
下振れ(予想より25千人超低い) 36 +8.3
(上昇86%)
+9.7
(上昇83%)
+10.8
(上昇81%)
+11.2
(上昇81%)
+9.8
(上昇86%)
+9.3
(上昇81%)
+7.6
(上昇67%)
大幅な上振れ(+100千人以上) 17 -8.6
(上昇18%)
-9.2
(上昇18%)
-9.3
(上昇29%)
-10.2
(上昇12%)
-11.2
(上昇24%)
-7.1
(上昇47%)
-2.3
(上昇47%)
大幅な下振れ(-100千人以下) 14 +7.9
(上昇79%)
+9.3
(上昇79%)
+9.7
(上昇71%)
+9.8
(上昇64%)
+7.8
(上昇86%)
+8.5
(上昇86%)
+8.5
(上昇64%)
全体 112 -0.2
(上昇51%)
+0.0
(上昇46%)
+1.1
(上昇54%)
+1.1
(上昇55%)
-0.4
(上昇55%)
+0.7
(上昇58%)
-0.3
(上昇53%)

平均の絶対変動(ゴールド・方向を無視した動きの大きさ)

発表前の静けさと、発表後の動きの大きさを比べるため、プラスマイナスを無視した平均の変動幅を出しました。

区分 件数 発表前5分の値幅(平均) 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け 発表後5分間の値幅(平均)
全体 112 3.0 7.1 7.9 8.9 9.4 9.9 10.1 15.5 14.0
上振れ 50 2.7 7.8 8.4 8.7 9.2 11.2 11.1 16.8 14.0
ほぼ予想通り 26 2.3 3.8 3.8 5.0 4.7 5.6 7.2 11.8 11.2
下振れ 36 3.7 8.6 10.3 12.0 12.9 11.1 10.9 16.3 15.9

直近12回の一覧

前回・予想・結果は、非農業部門雇用者数(単位は千人)です。値動きは、発表直前の価格からの変化幅(ドル)です。

発表日 前回 予想 結果 直後(30秒) 1分後 5分後 10分後 30分後 1時間後 NY引け
2026-10-02 133 90 29 +25.5 +27.9 +36.1 +31.5 +31.2 +7.0 -46.9
2026-09-04 21 56 162 -62.4 -70.3 -78.2 -81.0 -79.2 -60.4 -42.1
2026-08-07 20 80 -23 +38.3 +43.2 +49.9 +54.7 +51.4 +46.3 +33.0
2026-07-02 129 110 57 +34.3 +52.1 +62.0 +71.8 +52.2 +47.9 +57.4
2026-06-05 179 85 172 -15.1 -14.8 -12.1 -21.3 -59.0 -60.7 -135.8
2026-05-08 185 62 115 +2.6 -2.2 +12.4 +14.7 +13.6 +16.4 +4.5
2026-03-06 126 59 -92 +27.3 +35.9 +40.9 +41.1 +1.9 +21.1 +89.5
2026-02-11 48 70 130 -40.2 -60.0 -33.2 -18.9 -17.4 -12.3 +0.8
2026-01-09 56 60 50 -3.5 -2.2 +13.8 +15.6 +9.4 +21.2 +36.8
2025-12-16 -105 50 64 +3.4 +4.4 +5.5 +5.2 +11.3 +24.1 -0.0
2025-11-20 -4 50 119 -15.2 -4.0 -11.4 +6.9 -5.6 -5.5 -9.2
2025-09-05 79 75 22 +13.5 +19.3 +22.3 +29.9 +25.6 +24.2 +31.7

データから考える、米雇用統計の発表後のトレード戦略(検証結果)

ここまでのデータを使って、発表後に売買するルールを検証しました。事前に決めたルールを、そのまま過去の全回に当てはめた結果です(結果を見てから、良いルールを探し直してはいません)。エントリーは発表の1分後です。発表の30秒後に成行で入るのは、現実には難しいためです。決済は5分後〜NY引けの5通りで、損切りは入れていません。コストは、1回の往復で3pips(コストA)と5pips(コストB)を仮定しました。通常の口座では、発表直後はスプレッドが広がるため、実際のコストはこれより大きくなることがあります。

期待値は「1回あたりの平均損益」、PFは「総利益÷総損失」で、1を超えれば、利益のほうが大きいことを示します。

米雇用統計:ズレが特に大きい回だけ順張りしたときの期待値(ドル円、期間別)
ズレが特に大きい回だけ順張りしたときの、1回あたりの期待値(コスト後)。期間によって結果が大きく違います。

グラフの元の数値(単位:pips、1回あたりの期待値・往復コスト3pips差引後)

期間 件数 30分後 1時間後 NY引け
2016〜2021年 16 -6.4 -7.7 -4.6
2022〜2026年 17 +11.8 +4.6 +10.9

検証から分かったこと

  • 1分後に入る時点で、動きの大半はすでに終わっている:ズレが出た回で、想定した方向への平均の動きは、30秒後に+26.0pips、1分後に+27.0pips、1時間後に+24.2pipsでした。1分後の時点で、1時間後までの動きの約112%がすでに出ています。
  • ズレの方向に順張りしても、コストを引くと、ほぼ残らない:ズレが大きい回(88回)の期待値は、コストなしで30分後+3.2pips、1時間後-2.8pips、コストAを引くと、30分後+0.2pips、1時間後-5.8pipsと、ゼロ付近かマイナスでした。
  • ズレが特に大きい回(33回)に絞ると、プラスに見える決済もあるが、2016〜2021年は-4.6pips、2022〜2026年は+10.9pips(NY引け)と、期間でぶれ、勝率は42%でした。安定した優位性とは言えません。
  • 最初の30秒の動きに順張りするだけ(全回)では、優位性は小さい:コストA後の期待値は、5分後-0.5pips、1時間後+0.8pips、NY引け+2.4pipsでした。
  • 逆張りは不利:最初の30秒の動きと逆に入るルールは、コストA後の期待値が、すべての決済で-4.1〜-8.4pipsと、マイナスでした(逆行する値動きに、損切りなしで耐える形になるため、損失が大きくなります)。

ユーロドルとゴールドでは、同じルールでも、期待値が小さい、またはマイナスの結果が多く、ドル円ほどの傾向は再現しませんでした。

ルール別・決済別の検証結果(ドル円)を開く
ルール 決済 件数 期待値(コストなし) 期待値(コスト後) 勝率 PF 2016〜2021年 2022〜2026年 最悪の1回
ズレの方向に順張り(ズレが大きい回だけ) 5分後 88 +3.6 +0.6 43% 1.1 -4.9 +6.4 -36.1
ズレの方向に順張り(ズレが大きい回だけ) 30分後 88 +3.2 +0.2 50% 1.0 -5.7 +6.3 -104.1
ズレの方向に順張り(ズレが大きい回だけ) 1時間後 88 -2.8 -5.8 44% 0.7 -7.8 -3.7 -110.3
ズレの方向に順張り(ズレが大きい回だけ) NY引け 88 +1.5 -1.5 47% 0.9 -7.6 +5.0 -142.9
ズレが特に大きい回だけ順張り 5分後 33 +1.4 -1.6 42% 0.8 -7.7 +4.2 -36.1
ズレが特に大きい回だけ順張り 30分後 33 +6.0 +3.0 55% 1.3 -6.4 +11.8 -104.1
ズレが特に大きい回だけ順張り 1時間後 33 +1.6 -1.4 48% 0.9 -7.7 +4.6 -110.3
ズレが特に大きい回だけ順張り NY引け 33 +6.4 +3.4 42% 1.2 -4.6 +10.9 -116.7
最初の30秒の動きに順張り(全回) 5分後 115 +2.5 -0.5 43% 0.9 -4.9 +4.0 -38.0
最初の30秒の動きに順張り(全回) 30分後 115 +2.8 -0.2 52% 1.0 -4.3 +3.9 -104.1
最初の30秒の動きに順張り(全回) 1時間後 115 +3.8 +0.8 51% 1.1 -4.1 +5.7 -110.3
最初の30秒の動きに順張り(全回) NY引け 115 +5.4 +2.4 47% 1.1 -6.1 +11.0 -142.9
最初の30秒の動きと逆に逆張り(全回) 5分後 115 -2.5 -5.5 37% 0.4 -1.1 -10.0 -93.0
最初の30秒の動きと逆に逆張り(全回) 30分後 115 -2.8 -5.8 41% 0.6 -1.7 -9.9 -124.3
最初の30秒の動きと逆に逆張り(全回) 1時間後 115 -3.8 -6.8 40% 0.6 -1.9 -11.7 -170.6
最初の30秒の動きと逆に逆張り(全回) NY引け 115 -5.4 -8.4 42% 0.7 +0.1 -17.0 -245.5
ズレの方向に順張り+最初の30秒が同じ方向のとき 5分後 78 +4.3 +1.3 45% 1.2 -5.6 +9.0 -36.1
ズレの方向に順張り+最初の30秒が同じ方向のとき 30分後 78 +4.2 +1.2 53% 1.1 -5.6 +8.7 -104.1
ズレの方向に順張り+最初の30秒が同じ方向のとき 1時間後 78 -0.5 -3.5 47% 0.8 -7.8 +1.3 -110.3
ズレの方向に順張り+最初の30秒が同じ方向のとき NY引け 78 +3.0 -0.0 46% 1.0 -9.6 +10.6 -142.9

期待値は、1回あたりの平均損益(pips)です。コスト後はコストAを差し引いています。PFは総利益÷総損失、最悪の1回はコストA後の最大損失です。

他の銘柄でも同じルールを試した結果(ズレが特に大きい回だけ順張り)

銘柄 決済 件数 期待値(コスト後) 勝率 2016〜2021年 2022〜2026年
ドル円 1時間後 33 -1.4pips 48% -7.7 +4.6
ドル円 NY引け 33 +3.4pips 42% -4.6 +10.9
ユーロドル 1時間後 33 -4.6pips 42% -6.4 -3.0
ユーロドル NY引け 33 -4.9pips 36% -6.3 -3.5
ゴールド 1時間後 31 -2.1ドル 35% -1.6 -2.5
ゴールド NY引け 31 -4.7ドル 39% -4.4 -4.9

このデータから言えること、言えないこと

  • 言えること:発表の前後は、値動きが急に大きくなります。ポジションの大きさや損切りの位置は、事前に決めておく価値があります。
  • 言えないこと:発表の結果から、短時間で確実に利益を取れる方法があるとは、このデータからは言えません。動きの多くは、発表の1分以内に終わっています。
  • EAを動かしている場合は、発表の前後に動きを止める、またはロットを抑えるといった判断のほうが、期待値を守る点で役に立ちます(詳しくは、EA運用の相場急変対策)。

この検証は、過去のデータに基づく参考情報で、将来の成績を保証するものではありません。投資助言ではなく、取引の判断はご自身でお願いします。


発表前後に気をつけたいこと

  • 発表の直後は、スプレッドが広がり、約定がずれる(スリッページ)ことがあります。
  • ポジションを持ったまま迎える場合は、ロットと証拠金維持率を事前に確認しておきます。
  • EAを動かしている方は、EA運用の相場急変対策も参考にしてください。

よくある質問

Q. 雇用統計は毎月、同じ日に発表されますか?
A. 原則は第1金曜ですが、祝日や政府機関の閉鎖などで変わることがあります。発表の週に、最新のカレンダーで確認してください。

Q. 数字が良ければ、必ずドルは上がりますか?
A. 必ずではありません。予想との差、改定の内容、金利の局面によって、反応は変わります。

Q. 初心者は、発表時に取引してもよいですか?
A. 禁止ではありませんが、値動きが荒く、スプレッドも広がりやすい時間帯です。経験が浅いうちは、発表前後は見送るのも選択肢です。

まとめ

  • 米雇用統計は、毎月第1金曜に、米労働統計局が発表する雇用の統計で、為替への影響が大きい
  • 非農業部門雇用者数・失業率・平均時給の3つを、予想との差で読む
  • 日本時間では、夏時間の間は21時30分、冬時間の間は22時30分の発表

注意事項

  • 経済指標の発表日時・数値は変更や改定が行われる場合があります。最新の情報は、各発表元の公式サイトでご確認ください。
  • 本記事の値動きは、過去の実績に基づく集計であり、将来の結果を保証するものではありません。
  • 海外FXの利用は、日本の金融庁に登録されていない業者を含みます。規約・リスクをご自身でご確認ください。
  • 本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の取引や投資行動を推奨するものではありません。

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