fx-happiness.com

MT4(メタトレーダー4):機能や使い方、メリット、デメリットなど解説します

前回、MT4、MT5、トレーディングビューについて簡単に比較した記事を書かせていただきました。FXで取引をする際には、チャート分析が効率よく行える高機能チャートが必要になります。ここで記載するMT4は極めて高性能であり、世界でもっともメジャーなトレードシステムといわれています。今回は、MT4について徹底解説します。

MT4とは

MetaTrader(MT)は、FX(為替証拠金取引)専用の無料システムトレードソフトです。MetaQuotes Software社により開発され、2005年にMT4がリリースされました。それまで大々的に普及しているシステムがなかったこと、また非常に高性能なシステムであるため、世界中で爆発的なヒットとなりました。後発で2010年にMT5が発表され普及も進んでいますが、まだまだMT4の人気は絶大です。

FXはトレーダー個人でも行える取引ですが、世界に介在する大口といわれる企業トレーダーと並行に利益を出していくことを考えると、どのポイントで動くのか、その手口(考え方)をなるべく把握するのが稼ぐ近道になります。分析機能が豊富であるMT4は推測が可能なシステムといえるのです。

MT4の機能

  • 多彩な高性能トレードシステム
  • プログラミング
  • 自動売買

トレードシステム

チャート画面

②気配値表示からダブルクリックまたはドラッグすると希望のチャートが表示されます。①メニューバーに時間足があるので、見たい時間足をクリックします。

メインのチャート画面では、1チャートだけではなく、上画像のように制限がない複数のチャート表示が可能であり、画面の整理もワンクリックで行えます。同じ通貨ペアで各時間足を表示させたり、監視通貨ペアをまとめて見ることができるので、とても便利です。同じようにサブチャートも複数のオシレータなどを表示でき、かつ見やすいように整理することができます。

*一つの画面であまりに多くの情報を表示させると、動作に制限がかかることがあるので注意しましょう。

フォルダ管理

◎ファイル>データフォルダを開く

profiles》上画像のターミナルの下中央に「Default」とありますが、これはファイルになっていて、記憶させたい表示を名前を付けて保存することで後に選択できます。EUR/USD、Pondなどが始めに設定されて入っているようです。

templates》1つのチャートに表示する複数のインジケータ(③ナビゲータで管理されています)を定型として保存できる(チャート>定型>定型として保存)のも、手間が省ける良い点です。保存したデータはフォルダ管理になるため、削除することも名前を変更することもできます。

注文画面

通貨ペアをダブルクリックして注文画面を選ぶと、上画像の注文画面が表示されます。①現在の気配値②で通貨ペアが間違っていないかを確認し、③でlot数を決めます。⑥で成行注文であれば、そのまま「成行売り」「成行買い」を選択します。⑥で「指値注文」を選択する場合、④決済逆指値、決済指値の価格を入力します。

またチャート上で右クリックすると「ワンクリックトレード」があり(始めの画像にある赤青の窓)、表示しておけば、すぐに成行注文ができます。

レバレッジ設定はチャート画面ではなく、口座を開設した際に作られるマイページの取引画面で行います。

トレール注文

トレールとは、利益が大きく乗ってきたときに反転しても利益が残るように、決済逆指値の位置を有利になるように移動していくことです。pips(ポイント)で設定するか、手動で動かすことになります。エントリーして逆指値を設定すると、チャート画面にラインが表示されます。手動の場合、それをつまんでドラッグすることで指値を移動できます。トレールだけではなく、エントリー予約指値や決済指値も同じように移動することができます。

ターミナル

はじめの画像④ターミナルでは、取引状況や口座履歴、アラームなどが表示されます。取引画面を表示しておくことが多くなると思われますが、証拠金維持率は含み損を抱えた場合には注目しておく必要があります。また、ここで表示された取引で指値を設定することができます。

*アラーム機能は、設定したら席を外す場合でもMT4は起動しておく必要があります。

自動売買(EA)とプログラミング

自動売買システムを使うには、他者が作成したEAを搭載するか、またプログラミングに興味があれば自身で作成し搭載することが可能です。

日本だけではなく、世界中の人が作成したカスタムEAが販売されています。ご自身の嗜好に合ったEAがあればいいのですが、見つからないという人には、この機会にプログラミングに興味を持つこともおすすめします。

◎ツール>メタエディターを開く

新たな画面が表示されます。ファイル>Newで次画像があります。

エキスパートアドバイザは売買シグナルの作成や、EAの売買プログラムの作成で使用します。カスタムインジケータは、独自のインジケータを作成する際に使用します。スクリプト以下はプログラムに慣れた上級者用になります。

MT4では、プログラミング言語は専用のMQL4言語を使用します。ちなみにMT5だとMQL5という別の言語になります。動画で解説している人は多くないため、書籍を購入するか、ブログで検索することから始めてみましょう。

EAが搭載できたら、メニューバーの自動売買をクリックすると始動します。購入したカスタムEAも同じです。

MT4:メリットとデメリット

メリットは、前述したように高性能であることがまずあげられます。

  • テクニカル指標が50種類以上と豊富であり、複数を画面表示ができる
  • 世界で共通しているチャートであること
  • プログラミングできる(MQL4言語)
  • 自動売買(EA)やサインツール、インジケータなどを制作することができ自由に搭載も可能
  • バックテストができる
  • カスタマイズが自由である

国内FX会社独自のチャートも、現在ではそれぞれ使いやすいように工夫がなされ、どんどん高機能になってきていますが、それでもMT4を追い越すものはないようです。

逆にデメリットは、FXを始めたばかりの初心者にとっては高機能ゆえにハードルが高いと感じることがある点です。

  • 国内では採用しているFX会社が限られる、海外業者がメインである
  • 機能を理解するまでに時間がかかる
  • Windows対応であり、Macintoshで使うには制限がある
  • スマホアプリも使用できるが、インジケータなどの設定は共用していない
  • 暗号通貨は取引できない(ご希望の場合はMT5を選択しましょう)

スマホや他のデバイスと共用(ミラーリング)するには、iPhone、android共にアプリ、またソフトをダウンロードする方法があります。ミラーリングだけではなく、操作も可能なものもあるので必要であれば検討してみましょう。

MT4:よくある質問

  • デモ口座からライブ口座に変更したい
  • MT4はMacintoshでも使えますか?
  • タイムゾーンについて

MT4はあくまでプラットッフォームであるため、取引できる通貨ペアやスプレッドなどは、FX会社によります。また、表示される価格なども。個人の通信環境により差異があるので注意してください。上にあげた質問は、共通事項になるため記載しました。

●デモ口座ではできないことがいくつかあります。例えば指値注文はなく成行注文のみです。使用できる期間は30日間です。デモ口座で慣れたあとは実際の取引に移りますが、リアル口座はFX会社での口座開設が必要です。先に口座を開設していれば問題ありませんが、これからという場合は、まずMT4を採用しているFX会社を探しましょう。

●MT4は通常であればMacintoshに対応していません。対策としては、「ウェブ版のMT4を使う」のが比較的ラクな方法です。扱いがある国内FX会社はやはり限られていること、またセキュリティを考慮する必要もあるでしょう。次に「Boot Camp」ですが、これはAppleが提供しているソフトウェアで、Mac環境でWindowsを使用することができるものです。「VPSを利用する」VPSは有料になるため、ある程度FXで利益がでるようになった時に考えられる方法といえます。

●MT4は海外チャートであるため、夏時間と冬時間があります。例えば4時間足や日足に1時間の差異が生じるのです。夏:日本時間朝6時開始・冬:日本時間朝7時開始になるので、切り替え時期はチェックしておきましょう。

採用会社による違い

国内外を合わせるとMT4を採用しているFX会社は多数ありますが、個々の提供するサービスには違いがありますので、事前に調べておく必要があります。特にスキャルピングトレードをする場合は、スプレッドなど適したFX会社を選択してください。

  • 通貨ペア、銘柄の種類
  • スプレッド:キャンペーン期間を設けて狭小にする業者もありますが、通常スプレッドで比較しましょう。
  • レバレッジ:国内では最大25倍という決まりがあります。海外FX会社では、1000倍、無制限などもありますが、口座資金などの制限があります。
  • スワップ金利:デイトレードなど、その日のうちに完結する取引では関係ありませんが、日を跨ぐとスワップ金利が発生します。
  • 取引手数料:スプレッドが狭小の業者だと、売買手数料がかかる場合があります。また、入出金にかかる手数料も調べておきましょう。海外では送金手数料がかかるので注意してください。
  • 取引ロット数
  • 指値・逆指値などの許容範囲
  • サーバのメンテナンス時間

ご自身のトレードスタイルに合ったFX会社を選択しましょう。

取引方式

実際に取引を行う場合、FX会社を胴元とする「DD方式」と、市場に直接注文が流れる「NDD方式」があります。DD方式はFX会社を経由するため、約定にスリッページが起こるなど不透明感があるといわれます。国内FX会社ではDD方式が多い印象ですが、中にもNDD方式を採用しているFX会社もあります。

NDD方式は海外業者で多く採用されていますが、スプレッドは固定ではなく、比べると少し広めの印象です。

外国為替についての日本の経緯:まとめ

昭和28年に外国為替銀行法という法律が定められ、それに基づいて外国為替を扱っていたのは東京銀行でした。その法律が1998年に廃止され、普通銀行で外国為替を扱うことができるようになりました。その背景には、バブル崩壊後の債権処理に追われた流れから金融ビッグバンによる銀行の統合があります。既に預金金利が極めて低くなっていたこともあり、「外貨預金」が注目されました。

現在では銀行で扱う外貨預金よりも為替証拠金取引(FX)のほうが手軽なこともあり、FXに人気が集まっています。とはいえ、かつてサブプライムローンの影響によりFX会社が破綻し、証拠金が戻らなかった経緯もあり、元本割れしても銀行で扱う外貨預金のほうが安心、またドル建て生命保険を選択する人も多いです。

為替取引をしたくても情報が少なく、対応している業者もまだまだ少なかった頃、メタトレーダー4が発表されたことは世界的に非常に大きな功績だったに違いなく、参入者が莫大に増える入り口になったのでした。

最初のコメントをしよう

必須