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FX【一目均衡表】見方と時間論に合わせたパラメーターおすすめ設定と高勝率の手法を解説します!

昭和の時代に日本で開発された「一目均衡表」は、愛用者がとても多いテクニカル指標です。雲と5本のラインで構成された見た目はとても派手な印象ですが、却ってどう使ったらいいのか? 判断に悩む人が多いのではないでしょうか。他の分析方法と比べると、構成要素が多く「難しい」と感じるかもしれませんが、画面から一目で判断できるポイントを押さえてしまえば、とてもシンプルな分析方法であることが理解できるでしょう。時間論(日柄観測)を中心に、波動論(値幅観測)で、現在の相場の方向性を分析できる優れたインジケータです。ぜひ、トライしてみてくださいね。

一目均衡表とは

「一目均衡表」は、1936年に一目山人(ペンネーム)こと細田悟一氏が開発し、以降世界でも有名なテクニカル指標になりました。2000人の従業員を抱え7年の歳月をかけて、この一目均衡表を完成させたそうです。

他の分析方法との大きな違いは、上記したように「時間」が主役であり、価格が脇役である点です。これはつまり、「いくら」よりも「いつ」に重点を置いているということです。フィボナッチでも時間を扱う「タイムゾーン」がありますが、どのように違うのか興味深いところですね。また、雲の表示があることで、「買い」と「売り」の均衡が崩れたことを一目で把握できることも優れた点の一つです。「均衡が崩れた時に大きな動きになる」という考えに基づき、「いつそれが起こるのか」を判断できるようにすることが開発目的のひとつでもあったようです。それに併せて5本のラインもレジスタンス&サポートラインとして機能するのですね。

一目均衡表の表示

数あるインジケータの中で、名前からして異彩を放っている一目均衡表は、 どのチャートでも標準搭載されていますので、ぜひ表示してみてください。

メタトレーダーでは、左画像のようにインジケータの中に存在しています。「表示」➡「ナビゲーター」の中から選ぶか、または「挿入」➡「インジケータ」➡「カスタム」から選びます。

表示する際にダブルクリックすると「設定画面」が表れるので、「パラメーターの入力」を選択し、変更することができます。

3つの基本理論

上記したように、一目均衡表は「波動論」と「水準(値幅観測)論」、「時間論」(日柄観測)で相場が変化しやすい期間を予測します。つまりこれは、期間(時間)の観測に特化し、また価格の変動に対応しているということです。どのような考え方なのかを見ていきましょう。

時間論

トレンド転換するタイミングを予測できます。フィボナッチでは、3、5、8、13、21……といった数列がタイムゾーンに採用されています。それとともに、0.618などの比率などがあります。対して、一目均衡表の数字は「基本数値」と呼ばれます。9、17、26は「単純基本数値」であり、組み合わせる数値として、33、42、52、65、76で「複合数値」となります。

上昇相場:初動1波が9日、トレンドは長くても129日か172日で転換すると考えられている

下落相場:初動1波が33日、戻り目は節目で出現することが多いといわれる

これは、当時の株式市場の開催日に合わせた考え方なので、一考する余地がある点といえますね。

波動論

波動とは、高値・安値の連続した値動きを「波」として捉えたものです。チャートに描写された波形から分析します。一目均衡表での基本は、I波動、V波動、N波動です。左の図を参照してください。I波動が2連続した形がV波動になります。Y(拡大)・P(縮小)波動は複雑な波動であり、S波動はもみ合い相場の値動きになります。

波動にはエリオット波動やチャートパターンがあります。ライントレードの際によく利用するものですが、Y波動・P波動と同じような「ペナント」があります。波動論に於いては、特にN波動は「すべての波動はN波動に集約される」と考えられ重要視されていますダウ理論でも基本になる「高値安値の更新」を表しています。

水準(値幅観測)論

値幅観測論とも呼ばれています。目標値を求める計算式がありますが、ここでは割愛いたします。それまでの相場の動きから、これからどこまで上がるか(下がるか)を予測します。計算式は違いますが、フィボナッチ的な考え方といえるでしょう。

一目均衡表の構成と活用方法

5本のラインの活用

計算方法は以下のとおりですが、これを踏まえた上でチャート上に表示されたラインの見方を覚えれば、パラメーターの設定など、すぐにでも実践に役立てられます。

  • 転換線   :9期間高値と9期間安値 ÷ 2
  • 基準線   :26期間高値と26期間安値 ÷ 2
  • 先行スパンA:転換線と基準線の半値を26期間先行
  • 先行スパンB:52期間高値と52期間安値の半値を26期間先行
  • 遅行スパン :終値を26期間遅行

9と26は、一目均衡表では基本になります。まずはデフォルトで使用することをおすすめします。パラメーターを変更する必要はありません。ちなみに26は、現行のローソク足を含みますので、一般的な数え方では25期間と同じです。

転換線と基準線

この2本について、見方は簡単です。

  • 転換線が基準線の上 ➡ 「買い
  • 転換線が基準線の下 ➡ 「売り
  • ゴールデンクロス:基準線が上向きの状態であることが条件。「好転」という
  • デッドクロス  :基準線が下向きの状態であることが条件。「逆転」という

転換線は短期のレジスタンス&サポート、基準線は中期のレジスタンス&サポートになり、また基準線の傾きでトレンドの方向を判断します。

三役好転(逆転)の条件

  • 転換線が基準線を上回り、基準線が横ばい、もしくは上向き
  • ローソク足が雲(抵抗帯)を上回る
  • 遅行スパンがローソク足を上回る

このように総合的に好転することを「三役好転」と言い、強い買いシグナルになります。また、「三役逆転」の条件は反対になります。

先行スパンA・Bと『雲』

先行スパンAとBに挟まれたところが帯状の「雲(抵抗帯)」になります。この雲は、相場の将来予測について重要なポイントになります。

価格が雲の上で推移している場合は、相場が強く、下で推移していれば弱いという判断をします。

雲の役割

  • 雲の厚さは「レジスタンス&サポートの強さ」を表す。薄いところでは弱くなる
  • ローソク足のレジスタンス&サポートになる
  • 雲の中に入ると「様子見相場」になり、しばらく引きこもることがある
  • 雲から出た方向にトレンドが続くことが多い
  • 「雲のねじれ」では、トレンド転換がおこることがある

雲が厚いところでは過去の相場の影響が強いため、方向転換には時間がかかります。雲が薄くなると影響が少なくなるため、転換が容易になります。先行スパンAとBのクロスは「雲のねじれ」といい、変化が起こるといわれますが、確率は決して高くはないようです。

ローソク足終値が雲より「上」 ➡ 買い

ローソク足終値が雲より「下」 ➡ 売り

遅行スパン

遅行スパンは取引方向をはっきり示してくれるため、重要視するトレーダーも多くいます。遅行スパンは現在の終値を含んで26期間遅行させたもので、過去と現在の終値の比較ですが、一目山人自身が「26日遅行スパンが一番大事だ」と言っていたそうです。これは25期間モメンタムと同じ内容になります。

ローソク足終値が遅行スパンより「上」 ➡ 買い

ローソク足終値が遅行スパンより「下」 ➡ 売り

遅行なので「もう少し早くサインを出してくれないかな」と思うかもしれませんが、サインが遅い分トレンドが形成され始めているので、勝率はアップするといえるでしょう。確実に利益を積み上げたい人にはおすすめですね。

また、一目均衡表は日足をメインに考案されていますが、もちろん他の時間足でも活躍します。上の画像は1分足で使用していますので、他の時間足に比べて対応が早くできます。マルチタイムフレーム分析をすることで勝率もあがります。

一目均衡表のパラメータの設定

一目均衡表を使う人のほとんどがデフォルトで使用していますが、デフォルト設定では、昔の株式市場の開催日数に基づいて設定されているため、現在とは状況が違います。それを考慮して、パラメータを変更して使用しているトレーダーも少なからずいるのが現状です。では、現在に適したパラメータの数値だとどうなるのでしょうか。あてはめて、比べてみましょう。

デフォルト:転換線=9、基準線=26、先行スパン=52

変更後:転換線=7、基準線=21 or 22、先行スパン=42 or 44

画像では、左がデフォルトで、右が現在に合わせて変更したものです。見比べてみると、転換線・基準線とローソク足の接近具合など、雲の厚さも違いが認められます。海外では基準線「22」、先行スパン「44」が人気です。ローソク足と雲の隙間がなくなり、デフォルトよりも雲との接触の反応がよくなります。隙間がないということは、レジスタンス&サポートとして機能していることですね。雲に入るのも早くなりますので、「トレードを見送る」判断が早くできます。

どのくらいの人数のトレーダーがパラメータを変更しているかはわかりませんが、なるべく多数派のパラメータを使用することをおすすめします。

一目均衡表と移動平均線を使うトレード手法

他に組み合わせることで視覚的にも判断しやすいものとして、「雲」と「移動平均線」をおすすめします。これは転換線、基準線・遅行スパンを除き、雲のみを使用します。そこに移動平均線を組みこみ、ゴールデン(デッド)クロスや押し目(戻り目)の判断、雲を使った支持・抵抗を合わせることでトレードに向く相場であるかが判断できます。

上の画面でゴールデンクロス時に雲に入ってしまう場面があります。雲の中は基本様子見ですが、若干雲が薄くなっているのでポジションを持つことは可能です。100SMAがあるので雲抜けを待ってからの方が確実ではありますね。右側の雲抜けエントリーでは、SMAも近いこともあり、そのまま様子見をしてSMAを抜けてからエントリーするといいでしょう。ここでは水平線などのラインを省きましたが、ちょうどサポートラインがあるので、そこで利確となります。

意外にカンタンだった一目均衡表:まとめ

見た目の複雑さもあり、取っつきにくい印象の一目均衡表でしたが、見方は非常に簡単なものでした。目線は固定されますし、画面を伸ばせば右側に未来予想図まで表れます。内容を紐解こうとすると難解な面も多々あります。興味がある人は7冊あるという解説書を読んで、深堀りするのもいいでしょう。なんでも突き詰めることで、それはチャート分析に大きく役立ちます。

一目均衡表だけでトレードすることも可能でした。「目線を固定できる」ということは取引に於いては基本中の基本で、とても大事なことなのです。それが簡単に「一目でわかる」というのが一目均衡表のスゴイところですね。あとは利確に役立つ他のインジケーターを組み合わせることで、最強なテクニカル分析ができるでしょう。

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