FXのインジケーター「RSI」の仕組みや使い方を分かりやすく徹底解説!
目次
みなさんは「RSI」というインジケーターを使っていますでしょうか。このRSI「Relative Strength Index(相対力指数)」は、FXなどの金融取引のチャートに使われるインジケーターで、古くから人気のあるテクニカル分析の手法のひとつです。
この記事では、RSIというインジケーターを実際のトレードに活用できるようになるために、RSIの使い方やRSIの魅力などをたっぷりと解説していきます。
RSIとは
RSIは、「 Relative Strength Index 」という言葉を略した言葉で、日本語で訳すと「 相対力指数 」と訳します。簡単に言ってしまうと、「相場価格の買われすぎ・売られすぎ」をとても分かりやすく示してくれるインジケーターであり、「相場の過熱度」を把握するのにとても有効な手段です。
上図のように、RSIの数値が「0~30」(青いゾーン)の場合は「売られすぎ」、「70~100」(赤いゾーン)の場合は「買われすぎ」を意味しています。
例えば、RSIの値が70を超えてくると、そのまま100付近まで行くこともありますが、通常は30~70の間のゾーンに戻ってくることが分かっていますので、相場は「売り」を意識するようになります。もちろん逆も同じことになります。
このRSIを使ったトレード戦略がいくつかありますので、この記事の後半で詳しく説明することにします。
RSIの計算方法
RSIの値はどうやって算出されているのでしょうか。これを理解しておくことでもっとRSIを使いこなせると思いますので、詳しく説明していきましょう。
日付 | 価格 | 差 | Gain | Loss | Avg Gain | Avg Loss | RS | 14日RSI値 |
10/1(金) | 64.23 | |||||||
10/4(月) | 64.04 | -0.19 | 0.19 | |||||
10/5(火) | 64.17 | 0.13 | 0.13 | |||||
10/6(水) | 63.59 | -0.58 | 0.58 | |||||
10/7(木) | 64.33 | 0.74 | 0.74 | |||||
10/8(金) | 64.81 | 0.48 | 0.48 | |||||
10/11(月) | 65.11 | 0.30 | 0.30 | |||||
10/12(火) | 65.43 | 0.32 | 0.32 | |||||
10/13(水) | 65.85 | 0.42 | 0.42 | |||||
10/14(木) | 66.09 | 0.24 | 0.24 | |||||
10/15(金) | 65.87 | -0.22 | 0.22 | |||||
10/18(月) | 66.02 | 0.15 | 0.15 | |||||
10/19(火) | 65.55 | -0.47 | 0.47 | |||||
10/20(水) | 66.24 | 0.69 | 0.69 | |||||
10/21(木) | 66.28 | 0.04 | 0.04 | 0.39 | 0.37 | 1.05 | 51.2 | |
10/22(金) | 66.01 | -0.27 | 0.27 | 0.35 | 0.37 | 0.94 | 48.5 | |
10/25(月) | 66.04 | 0.03 | 0.03 | 0.37 | 0.39 | 0.95 | 48.7 | |
10/26(火) | 66.41 | 0.37 | 0.37 | 0.34 | 0.39 | 0.87 | 46.5 | |
10/27(水) | 66.23 | -0.18 | 0.18 | 0.30 | 0.32 | 0.94 | 48.5 | |
10/28(木) | 65.54 | -0.69 | 0.69 | 0.28 | 0.29 | 0.97 | 49.2 |
上表は、RSIを算出した表です。※RSI(14)…14日間での集計。
- 価格 … その日の終値
- 差 … 前日の終値との差
- Gain … 価格が上昇した時の差の値
- Loss … 価格が下落した時の差の値
- Avg Gain … 14日間のGainの平均値
- Avg Loss … 14日間のLossの平均値
- RS … Avg Gain ÷ Avg Loss の値
- RSI … RSI(14)の値
以上のような項目が、日ごとに集計されています。RSIの値は、この日ごとに集計された値から、
RSI = 100 – ( 100 / ( 1 – RS ) ) ※RS = Avg Gain / Avg Loss
という計算式で表されます。(上表の一番右の値)
つまりRSI(14)とは、「日々の上昇率と下落率を集計し、この値を14日間での割合として再度集計することで、上昇に偏っているのか、下落に偏っているのかを数値で表している」と言えます。
このRSIの値をグラフ化したものを、私たちはテクニカルインジケーターとして、チャート上で利用しているのです。
それでは、実際のRSIの使い方について解説していきましょう。
RSIの使い方
これまで書いてきたように、RSIは現在の価格が「買われすぎ、売られすぎ」なのか分かりやすいように、トレードチャート上に表示させて使います。
では、RSIをチャート上に表示させ「買われすぎ、売られすぎ」が分かったところで、どのようにトレードに活かせばよいのでしょうか。
RSIを使った逆張り
まず、RSIの最もポピュラーな使い方として、逆張り手法が挙げられます。
このRSIで「買われすぎ、売られすぎ」が分かるのであれば、買われすぎている時に売って、売られすぎている時に買えば、利益を狙えると考えることができます。これを「逆張り」トレードと言います。
つまり、RSI上でRSIの値が70を超えてきた場合、「そろそろ下落するのでは」といった心構えができます。
トレードで利益を出すためには、エントリータイミングがとても重要です。どこでエントリーすればよいかの指標がないと、あてずっぽうのトレードになってしまいます。そのような場合に、このRSIの値を見ながら、買いのタイミング、売りのタイミングを計るというやり方になります。
RSIを使った順張り
このRSIを使ったトレードにおいて、一般的には「順張り」は用いられません。なぜならば、RSIは「買われすぎ、売られすぎ」を計るインジケーターであるため、現在のトレンド(チャートが進んでいる方向)とは、逆に動くときを狙うのがセオリーだからです。
しかし熟練したトレーダーの中には、RSIをトレンド転換の指標として使い「RSIの値が50付近から70の方向に進んだら買い、RSIの値が50付近から30の方に進んだら売り」といった使い方をするトレーダーもいます。
このやり方を「順張り」といって、トレンドの流れについていくようにトレードするやり方になります。トレンドの流れに乗っていく手法のため、利益の幅が大きくなりやすい特徴があります。
※逆にエントリー後に反転してしまうと、損失が大きくなってしまうリスクもあります。
ダイバージェンス
ダイバージェンスとは、「為替レートとRSIの逆行現象」のことを言います。このダイバージェンスが起こった場合、とても高い確率でトレンドが発生すると言われています。
では、その見方を説明しましょう。
上図のように、相場チャートのトレンドとRSIのチャートトレンドが、明らかに違うトレンドになる事があります。この逆行現象をダイバージェンスと言い、大きなトレンド転換が起こるサインと言われています。
このような現象が起こった場合は、相場のトレンドが反転する可能性が高いため、そのポイントで逆張りポジションでエントリーします。※上図でいうと①のあたりで「買い」ポジションを持つことが可能になります。
このように、RSIを使って3つのトレード手法ができることが分かりました。これらはもちろん毎回その通りにいくわけではありませんし、エントリーのタイミングはやはりRSIを使った経験が必要になります。RSIをチャートに設置して使い続けることで、RSIインジケーターを自分のものにしてください!
RSIと他のインジケーターを組み合わせた手法
これまでRSIの手法を説明してきましたが、上で書いたように相場というのは毎回同じ動きをしてくれるわけではありません。相場の動きを見極め、エントリーのタイミングを見極めることがトレードで勝率を上げる重要な要素であることは間違いありません。
そこで、エントリータイミングを確実にしたいのであれば、RSIを使うだけでなく他のインジケーターを組み合わせることで、このエントリータイミングの根拠が明確になってくるのではないでしょうか。RSIとの組み合わせの見方をいくつかご紹介しましょう。
RSIとMACD
RSIとMACDは非常に相性のいいインジケーターです。以下の画像をご覧ください。
上図から分かるように、「RSI」が30を割っていますが、すぐにエントリーしてしまうとまだ相場の値動きが安定していないため、浅い逆指値に引っかかりなかなか利益が出せないような場面であっても、「MACD」のゴールデンクロスをしっかりと確認したあとにエントリーしても十分間に合いますし、ゴールデンクロスが出現しなかった場合はエントリーしない、といった判断も重要です。
RSIとボリンジャーバンド
RSIとボリンジャーバンドもまた相性のいいインジケーターになります。以下の画像をご覧ください。
上図から分かるように、黄色い枠部分の「RSI」の30が割っていることに加えて「ボリンジャーバンド」の2σ(外側の赤線)にタッチすると、すごく売られすぎていると判断され一時的に反転していることが分かります。
さらに、オレンジ色の枠のRSIが70を超えていて、ボリンジャーバンドの2σにタッチすると一時的に反転していることが分かります。
もちろん相場が大きく動いたとになどに、このように両方のインジケーターが大きく振れてしまうことは当然といえば当然です。しかし例えばボリンジャーバンドが得意とする「逆張り」を狙ったトレードでは、やはり両方のインジケーターが反応していることを確認したうえでエントリーすることで勝率が上がることは、実践してみれば自ずとわかることだと思いますので、是非試してほしい手法だと思います。
まとめ
相場は当然どちらの方向に向かって進むか分かりません、さらにその方向にいつまで進み続けて、いつ反転するかもまったく分かりません。そのような相場の動きを見張って、相場の動きを予想し、さらに利益を出すのはとても難しい事です。
この記事で解説したRSIといったインジケーターを使って、相場の動きをつかみ、ポジションを持つ根拠を見出すことでトレードの勝率が格段に上がることは間違いありません。
この機会にRSIというインジケーターを使って、その動きやエントリーするタイミングについて研究し、是非トレードに活かしていただきたいと思います。
- RSIは、価格の「買われすぎ、売られすぎ」が一目でわかるインジケーター
- 日々の上昇率と下落率を集計し、この値を指定した日数で再度集計したもの
- RSIを使ったトレードで一般的な手法は「逆張り」トレード
- RSIで「順張り」トレードが上手くいくと、利益が大きく取れることがある