FXの値幅を捉える【ピボット】分析・順張り、逆張り手法とトレードの注意点も解説!
目次
ピボットは「リアクション・トレンド・システム」と呼ばれる、テクニカル面で重要なポイントを示すインジケーターとして使用されています。それぞれの時間足でピボットポイントはありますが、中でも日足で発表される「デイリーピボット」は、その日にもっとも注目され、意識される価格となります。
基準値P(デイリーピボット)=(前日高値+前日安値+前日終値)÷3
基準値ポイントの計算式は上のようになり、パラメーターで変更するものではなく、ローソク足を使った計算で求められた価格であるため、みんなが同じポイントを見ていることになります。
リアクション(逆張り)モード、トレンド(順張り)モード、両方のトレードについて適応しますが、一般的にはリアクションで使用するトレーダーが多いと言われています。同じ価格で示され、転換点として見られやすく、過去の変動幅から未来の価格変動域を予測できるため「売られすぎ・買われすぎ」を判断し、「逆張り」しやすくなることが理由としてあげられます。
ピボットは方向性のないレンジ相場でも利益を出せるシステムですが、市場が動いた時でも自動的にトレンド追随シテムに切り替わり、トレンドが終了するとともに、再度アンチトレードシステムに自動で切り替わるという優れものです。
ピボットとは?
オリジナルは「パラボリック」や「RSI」などの開発者であるJ・W・ワイルダー氏によって考案されました。基準値ポイントを中心に、抵抗ポイント(R)と支持ポイント(S) が上下に3本ずつ、合計7本のポイントをアクションポイントとし、最新のローソク足1本に対して有効なポイントになります。分足、時間足などそれぞれの表示になりますので、トレードスタイルに合わせて使用できるものです。
そして、ピボットは論理的に導かれたポイントですので、水平線を引くポイントにもなります。
もともと搭載されているFXチャートが少ないことがあり、あまり馴染みがないと思うかもしれませんが、欧州・米時間ではかなり有効なポイントになります。
ピボット:「価格の目標」
ピボットは、デイリーピボットがもっとも注目されるため、スキャルピングトレードやデイトレードに向いています。もちろんトレードをする時間がとれないサラリーマンの方たちにも使えるインジケーターです。ポイントで指値注文などができるため、仕事中でもチャートを見ずに放っておくことができるのです。つまり、これはトレードに使える数字が視覚的にわかるからですね。
トレードをする上で「価格の目標を設定する」ことは大事です。「明確な価格」を知ることで、エントリーから決済までをしっかりトレードメイクすることができるのです。ところが、チャートの動きや波を見ているだけでは「価格の設定」はおろか、動きに翻弄されてしまうことになります。
多くのトレーダーは、より明確な「価格の目標」を決定できるツールを探していますが、その目標を決めやすいのが「ピボット」です。設定の仕方は、トレードスタイルに合わせた時間足で価格の目標設定をします。
・短期トレード:日足ピボット
・デイトレード:週足ピボット
・スウィングトレード:月足ピボット
それぞれのビボットポイントを確認して価格の目標を設定しましょう。基準値ポイントを中心に、その日の価格が上にあれば「買い」、下にあれば「売り」を検討します。
ピボットを使ったトレード:逆張り手法
ピボットで表示されるポイントは非常に意識されるので、逆張りが可能かどうかは上位時間足などで相場の流れを確認してエントリーする必要があります。基本的にはR1~S1の間で値動きがあると考えられますが、R1・S1を突破されても R2・S2で同様の戦略を考えることができます。
デイトレードでは、日足・週足でトレンド状態ではないことを確認した上で、ご自身に合った時間足でエントリーしましょう。
・R1に達したら「戻り売り」:利確がS1
・S1に達したら「押し目買い」:利確がR1
これが一般的な逆張りトレード方法です。そして、逆張りが機能しなくなるR3・S3ポイントを「BOP(ブレイクアウトポイント)」といい、H-BOP、L-BOPはトレンド入りと考え、ドテン売り・ドテン買いのポイントになります。
ピボットを使ったトレード:順張り手法
デイトレードであれば、週足・日足でトレンドがどちらの方向に進んでいるかを必ず確認しましょう。
順張り①:「買い圧力」「売り圧力」が強い場合、R1・S1を超える動きであれば、順張りで仕掛けることができます。その場合、「R1でエントリー:利確R2」・「S1でエントリー:利確S2」となります。
順張り②:デイリーピボットの位置、上昇トレンド中であれば「押し目買い」、下降トレンドならば「戻り売り」を仕掛けられるかを予想します。基準値ポイントからのロングエントリー、基準値ポイントからのショートエントリーになりますが、決済は1ポイント、または2ポイントまでとれるかは不明なので、状況とトレンドの勢いを考えます。
ストップロスはそれぞれのポイントから少しズラしたところに置くといいですね。
ピボットを使ったトレード:注意点
R1・S1を意識した分足・時間足トレードですが、上位時間足のピボットポイントは必ずあらかじめ確認しておく必要があります。ローソク足が切り替わる時間まではポイント内の動きで判断することができますが、切り替わる時間間際の値動きを見ていると、上位時間足のピボットポイントの到達を意識する動きになります。その場合、逆張りでいけるのか、順張りがいいのかを判断する必要があります。
また、注目されるポイントであるため「ダマシ」が存在します。R1・S1からのブレイクが「ダマシ」になる可能性があるため、回避するには上位時間足のポイントは必ず確認することが大事です。
チャートの進み方は、次の目標が遠い場合は休んだり転換したりしますが、目標が近いところにあると、そこに向かうことが多いです。例えば、1時間足のピボットポイントと4時間足のピボットポイントが近いと4時間足のピボットポイントが意識されるようになります。「ダマシ」の回避にもなりますので、時間が切り替わる間際のトレードは控えたほうがいいでしょう。
ピボットは前のローソク足に対しての計算されたポイントになり、動いているローソク足に有効なポイントです。過去のポイントは通用しません。そのため、意識するのは直近のピボットポイントのみになります。
前記しましたが、ピボットはどのプラットフォームでも搭載されている、というものではないため、カスタムできるであればピボットインジケーターを探すことになります。また上の画像では、自動でラインを引いてくれるチャートを使用していますが、ピボットの計算上かもしれませんが、正確さに欠けるものが多いようです。
フィボナッチピボット(フィボナッチゾーン)とは?
J・W・ワイルダー氏のオリジナルのピボットを改良した、他種類のピボットがあります。「ウッディピボット」「カマリリャピボット」「フィボナッチピボット」の3種類があり、オリジナルのピボットとは計算式がそれぞれ異なります。
ここでは、中でも比較的知名度が高い「フィボナッチピボット」について、簡単に触れておきます。
オリジナルのピボットに、フィボナッチ数列を重ね、信頼性を高めたテクニカル分析です。ピボットの各レベルが等間隔でないことを受け、再構築してレジスタンスとサポートに幅を持たせたため、より確度の高い売買手法もできるという内容です。
とはいえ、ピボットとフィボナッチピボットについて「どちらが信頼できるのか?」はトレーダーの見方で変わるものです。フィボナッチピボットについては、改良型が用いられた「改良型フィボナッチゾーン」があり、計算式も簡潔化されています。
使い方はピボットと同様、サポートで買い、レジスタンスで売るレンジ相場に向いていますが、幅があるため「順張り」で値幅をとる目的で使用することができます。
それぞれのピボットポイント
基準ポイントと上下のポイントには計算式がそれぞれありますが、ポイント自体は自動で表示されるので、計算式を覚える必要はありません。過去の値動きが考慮され、「今回はこのくらいの値幅になるだろう」という目安になります。
デイリーピボットで言うと、R1、S1は「前日の値動きから同じくらいの値動きを算出すると、本日はこれくらい」といった目安です。R2、S2は「前日よりも大きく動くとしたらこれくらい」。R3、S3は「想定外に大きく動くとしたらこれくらい」という意味で捉えるといいでしょう。
分足、時間足のピボットポイントは時間がきたら切り替わりますが、日足のピボットポイントは一日中変わらないので、デイトレードをする際には必要なポイントです。デイリーピボットは非常に重要視される数字ですので、気にしたいものですね。
目標価格が明確である安心感:まとめ
エントリーや利益確定のポイントが一目でわかる、ということはトレーダーにとってストレスの軽減に役立ちます。「エントリーしたのはいいけど、利確が難しい」といった声をよく聞きますが、ピボットを採用することであまり悩まずに済むのです。
R1・S1などが、必ずレジスタンス&サポートとして機能するというわけではありませんが、あらかじめ利確ポイントやエントリーポイントとして決めるには、いいポイントになります。
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