FX初心者に必要な用語など最低限の知識と勉強法をまとめてみた
目次
これからFXトレードに挑戦する初心者の中には、「用語とか知らなくてもトレードできる」とか「分析と手法だけ知ってればなんとかなるんじゃないかな」と安易に考え、面倒なことを後回しにする方もいらっしゃるかもしれません。勉強はトレードを始めてからでも遅くはありませんが、それでも知っておかないといけない、最低限の知識は押さえておく必要があります。
必要最低限の専門用語
複数のチャートを見ていると、特に1分足、5分足などの分足から短い時間足などは、ローソク足が大きく動くので、「凄い値動きしてる」と気持ちが焦り、エントリーするのに「ロング」か「ショート」か悩みます。
たった2行の文の中でも専門用語がいくつかありますね。「チャート」「分足・時間足」「ローソク足」「値動き」「エントリー」「ロング・ショート」。簡単に書いても、これだけの用語が出てきます。この言葉は全て日常的に使われるFX用語です。ある程度の国語力があれば何となく想像できるとことではありますが、どうせならきちんと確認しておきましょう。
入金をしてエントリーを開始します。「ロット数」は取引数です。自分の損益が変わるので、どれくらい稼ぎたいのか、またどれくらいの損失だと耐えられるのかを検討します。「スプレッド」とはFX会社分の手数料になります。会社により差があります(画像では緑〇の部分です)。「スワップポイント」は通貨同士の金利差です。取引方向によってプラスとマイナスが設定されています。会社により違います。
会話の中で「10pips稼げた」とかの「pips」は、通貨の最小単位(1.0pips)のことです。例えば「円」では1円=100.0pipsです。なので10.0pips=10銭稼げたことになります。0.1pipsごとの値動きは通過すべてで共通です。
「ドル」については、1ドル=100セントで、1セント=100.0pipsになります。
獲得pips(値幅)× ロット数(取引量)=損益
必要最低限の知識
FX口座を開設し、チャートを手に入れて初めて開いたその時から、値動きを観察することができます。そして様々なツールを開き、その緻密さに圧倒されることでしょう。口座資金はすぐに入金できますし、入金すれば取引も開始できます。また、複数の会社でチャートを手に入れて使いやすいものを選び、取引口座を別にすることも可能です。
FXチャートの仕組み
チャートは価格と時間で構成されています。値動きは0.1pipsごとで、ローソク足やバーなどで表示されます。また複数の時間足を見ることができ、月足・週足・日足、またチャートにより異なりますが時間足・分足やティック表示もあります。チャートの表示は拡大・縮小ができますが、デフォルトでは見やすい表示になっています。分足・時間足などをみる時は、右に表示されている価格に注意しましょう。幅が大きくなっているため、たった1pipsの動きが10pipsに見えたりします。
ロングとショート
取引は、まず「上に上がるか、下がるか」を予測し、上がると判断すれば「ロングエントリー」、下がる判断なら「ショートエントリー」です。これは一般的な用語ですが、チャートの表示は「買い」「売り」なので、「Ask(BUY)」「Bit(SELL)」が使われています。またチャートの現在価格の表示についても「買い価格」「売り価格」が選択できるようになっています。
注文の仕方(画像例:メタトレーダー)
「成行注文(左画像)」か予約を入れる「指値注文(右画像)」などがあります。「成行注文」は表示されている価格で取引する注文方法です。左右共通ですが、決済逆指値は「損切(S/L)」、決済指値「利確」、右画面では注文価格を入れて発注することで希望価格付近で注文を入れられます。付近というのは、急な動きになるとスリッページと言って約定がスベることがあるのです。
チャートの見方と分析方法
チャートの見方
チャートとは、相場の動向を示した表です。見方がわかれば値動きや値幅を判断できるので、今後の予測をしながらトレードすることが可能になります。チャートは縦軸「価格」、横軸「時間」で構成され、ローソク足またはバーが値動きを示します。ローソク足チャートかバーチャートかは好みで表示していいものですが、ローソク足は日本人が開発しているため、国内ではローソク足が普及しています。欧米ではバーチャートが主流でしたが、ローソク足のほうが情報を多く読み取れるため、ローソク足も多く使われるようになっています。
ローソク足は「始値・終値」「高値・安値」が一目でわかる非常に優れたツールです。上昇では「陽線」になり、下落時は「陰線」の実体で表示されます。上下についているのが「ヒゲ」です。実体が長いものや小さなものもありますが、それぞれ名前がついていたり、複数のローソク足の動きの形でも特徴があります。
他に「ラインチャート」がありますが、これは終値を線で結んだもので、とてもシンプルで見やすい反面、値動きはわかりません。
値動きには「上昇・下降トレンド相場」と「レンジ相場」があり、ローソク足の値動きは「波」に例えられます。基本は「N字」で高値・安値を更新しながらトレンドを作るのです。この基本的な見方は「ダウ理論」で勉強できます。レンジ相場では、狭い値幅の中で上下する動きが続く相場です。大きく稼ぐなら「トレンド相場」を待ちましょう。
ファンダメンタルズ分析
FXは世界の通貨を使って為替証拠金取引を行いますので、各国の金融政策や経済状況に注目する必要があります。ファンダメンタルズ分析の考え方は、各国の経済データを使用して相場の予測をするものです。基礎的な知識として、ニュースや経済指標、また要人発言を気にするようにしましょう。各FX会社でもニュースとして取り扱い発信しています。
経済指標では、特に大きく動くことが予想される「米雇用統計」は30pips以上、他にも「消費物価指数」も10pips以上の動きになります。要人発言では「FOMC政策金利・声明発表」や、他にも欧州など各国で行われ、主要な発言では大きな動きになることがあるので注意が必要です。
テクニカル分析
チャートには、それぞれ標準搭載されているインジケーターとオシレーターと呼ばれるテクニカル指標があります。移動平均線やボリンジャーバンド、RSI、MACDなどがよく使用されていますが、他にも多種多様なツールが搭載されています。このようなテクニカル指標を駆使して値動きの予測をすることをテクニカル分析といいます。
テクニカル指標にはトレンド系とオシレーター系があり、順張り・逆張りなどのトレードスタイルによって、それぞれ使えるものが異なるため、いろいろ試用して自分のトレードスタイルに相性がいいものを見つけるといいでしょう。
トレードに使える手法
初心者が取り入れやすいのは、何と言っても「ライントレード」です。ライントレードとは、目立つ高値・安値に水平線やトレンドラインなどを引きながら波の形を認識して取引をすることです。とてもシンプルでありながら、実践で役立つトレード方法です。上級者でも取り入れているトレーダーが多いです。水平線や斜め線は、ツールバーから選ぶだけですので、早速活用してみましょう。
ライントレードでは「チャートパターン」を使用することもあります。チャートパターンは複数ありますが、覚えておくと非常に便利です。エリオット波動や保ち合い相場などが表れると、参加者が非常に多くなります。
「エリオット波動理論」「ダウ理論」「グランビルの法則」など、値動きについて研究されていますので、基本として学びましょう。それに付随してフィボナッチもチャートに表示してみるといいでしょう。
グランビルの法則は、移動平均線を使用したトレード手法です。期間の設定はトレーダーにより差異がありますが、これも非常に有効で奥深いインジケーターです。まずはレジスタンス&サポートラインとして認識し、幅を広げていきましょう。
デモ口座とリアル口座
大切な資金をなくさないためにデモ口座を開設し、ツールの使い方を前もって知っておく、インジケーターやオシレーターの使い心地を試す、デモトレードでロット数による取引額を確認する、また取引の練習をするなどは必ずやって慣れておくに越したことはありません。
デモトレードで慣れたらいよいよ実践です。開設したリアル口座に資金を入金します。FX会社によってはワンコインからトレードできる会社もありますが、取引をする際に、通貨ごとに異なる「必要証拠金」がありますので会社の情報を見てみましょう。
始めは緊張して、デモトレードのようにうまく取引できないのが通常です。失敗してもいいように、ロット数は上げずに極少額の取引から始めましょう。ここでは実際に資金が動くので、「資金管理」が必要になります。資金管理とは、口座残高と証拠金維持率を守るための「やり繰り」です。値動きにより証拠金維持率が上下します。これが著しく低下すると「強制ロスカット」になるか、また「追証」という追加金が請求される会社もあるので、口座残高には余裕を持つことが望まれます。
追証について解説します。必要証拠金(担保)をFX会社に預けて運用しますが、取引損失が多くなり証拠金を上回ってしまうことで、その不足分をFX会社から追加入金を請求されます。FXではレバレッジをかけて取引しますが、担保として必要証拠金+余裕資金を入金します。
取引したい数量 × 現在の為替レート × ◯% = 必要証拠金( ◯% はFX会社による)
追証を採用していない会社(口座)もあり、その場合は預けてある口座残高内で強制的に終了させる「強制ロスカット」を採用しています。証拠金維持率が150~100%を下回ると、強制ロスカットの可能性が高くなるので注意が必要です。
トレードルールを作る
トレードノートを作成する、もしくはチャート上にメモして画像にしておくなど、自分のトレードを記載しておくことで、繰り返してしまう失敗や成功を確認できます。そこで更に「マイルール」を作ることをおすすめします。ギャンの「価値ある28のルール」は、ギャン自身の長年のトレードルールをまとめて発表されました。昔の株式相場での投資家ですが、現在のFXでも十分に通用するルールの基本となっています。参考にしてみてください。ルールを作りそれを厳守することで、トレードの腕も磨かれ、利益を伸ばすことにつながるでしょう。
トレードに役立つ本や動画など
FXを扱った書籍には、様々な角度から「FXを攻略する」ことを目的としたものが多く出回っています。王道といわれるテクニカル分析、資金管理、通勤中でのトレード法、高勝率自慢などなど。以前に比べても随分、幅が広くなった印象です。他にも海外のFX会社について特記されているものなどもあり、気になったことがすぐに解決できるようです。また、それぞれのFXトレーダーがアップしている動画も、参考になるものが多いです。特にテクニカル分析については、書籍やブログで字を読むのが億劫な時に、動画を見ればある程度の内容はわかるのではないでしょうか。
FXは勉強あるのみ:まとめ
相場は各国の経済状況や市場心理、またテクニカルなどを織り込み、複雑に値動きしています。かと言って読みなれない経済新聞を読んだり、見慣れないニュースを見たり、英語を学習してみたり、あらゆることを網羅するなど、そこまで要求されてはいません。自分ができる範囲で勉強をすすめるといいでしょう。しかし、FXで勝つトレーダーになるには、積極的に興味を持ち、どんどん勉強をして吸収することは求められます。FXでトレードすることで得られる事柄はひとつだけではありません。知識の輪を広げていくことが大事になるでしょう。