【週報】2026年9月26日号:強い米指標でドル高、ドル円は円安けん制で159円台から反落
この記事を読むとこうなります
→ 今週のドル円・ユーロドル・ポンド円・ゴールド・ビットコインのトレンドが週足・日足・4時間足で一目で分かります
→ 日米欧英の中銀が9月に下した決定と、金利差の変化が分かります
→ 来週のPCEデフレーター・米雇用統計に向けたシナリオが分かります
⚠️ 本レポートは執筆時点の相場情報です。相場は経済指標の結果・要人発言・地政学リスクなどによって方向性が急変することがあり、記載のトレンドや見通しは将来の値動きを保証するものではありません。取引は必ずご自身の判断と責任で行ってください。
今週のトレンド一覧
移動平均線の並び(パーフェクトオーダーなど)とダウ理論による高値・安値の切り上げ/切り下げ判定をもとにした、主要5資産の週足・日足・4時間足トレンド状況です(2026年9月26日時点)。
| 資産 | 時間軸 | 価格 | 移動平均トレンド | ダウ理論 |
|---|---|---|---|---|
| USD/JPY | 週足 | 157.294 | 下降バイアス | 下降トレンド継続 |
| 日足 | 157.294 | レンジ | 収束(保ち合いの可能性) | |
| 4時間足 | 157.294 | レンジ | 拡大レンジ | |
| EUR/USD | 週足 | 1.13912 | 下降バイアス | 収束(保ち合いの可能性) |
| 日足 | 1.13912 | 下降バイアス | 下降トレンド継続 | |
| 4時間足 | 1.13912 | 下降トレンド(パーフェクトオーダー) | 下降トレンド継続 | |
| GBP/JPY | 週足 | 208.366 | 下降バイアス | 下降トレンド継続 |
| 日足 | 208.366 | 下降バイアス | 収束(保ち合いの可能性) | |
| 4時間足 | 208.366 | 下降トレンド(パーフェクトオーダー) | 下降トレンド継続 | |
| GOLD (XAU/USD) | 週足 | 4284.99 | 下降バイアス | 収束(保ち合いの可能性) |
| 日足 | 4284.99 | 下降バイアス | 収束(保ち合いの可能性) | |
| 4時間足 | 4284.99 | 下降トレンド(パーフェクトオーダー) | 収束(保ち合いの可能性) | |
| BTC/USD | 週足 | 84165.86 | 上昇バイアス | 拡大レンジ |
| 日足 | 84165.86 | 上昇トレンド(パーフェクトオーダー) | 上昇トレンド継続 | |
| 4時間足 | 84165.86 | レンジ | 収束(保ち合いの可能性) |
※価格はMT5(XS Fintech)のデータに基づき、日足はUTC基準で区切っています。TradingView等の他チャートとは表示タイムゾーンや参照取引所が異なるため、数値が多少異なる場合があります。
今週はビットコインを除く4資産が、週足で「下降バイアス」に傾いています。なかでもユーロドルとポンド円は、4時間足で移動平均線が下向きにそろう下降のパーフェクトオーダーとなり、ダウ理論でも下降トレンドが続いている状態です。テクニカル面の総合評価でも、両ペアは週足・日足・4時間足のすべてで「売り」となっており、下目線という点で見方が揃っています。ユーロドルは日足のRSIが30をわずかに下回る水準まで低下しており、短期的には売られすぎを意識した戻りが入りやすい位置にある点も押さえておきたいところです(RSIの見方はRSIの解説記事で詳しくまとめています)。
一方、ドル円は週足こそ下降バイアスですが、日足・4時間足はレンジ判定で、方向感が定まりきっていません。別の指標で見ると週足は「中立」、日足・4時間足は「売り」と、時間軸によって評価が割れています。ゴールドも日足・4時間足は売り優勢ながら、週足は「中立」で、下落の勢いが続くかどうかは見極めが必要な局面です。唯一の例外がビットコインで、日足で上昇のパーフェクトオーダーを形成し、他の代表的な指標でも全時間軸で「買い」と、ほかの資産とは逆の強さが目立ちました。
主要中銀の政策金利と金利差
9月は主要中銀の会合が相次ぎ、そのうち3つが利上げに動きました。ECB(欧州中央銀行)は9月10日に政策金利を2.40%から2.65%へ、FRB(米連邦準備制度理事会)は9月16日に3.75%から4.00%へ、日銀は9月18日に1.00%から1.25%へ、それぞれ引き上げると決定しています。イングランド銀行(BOE)は9月17日の会合で3.75%に据え置きました。
| 中銀 | 直近の決定 | 現在の政策金利 |
|---|---|---|
| FRB(米国) | 9月16日 利上げ | 4.00% |
| 日銀 | 9月18日 利上げ | 1.25% |
| ECB(ユーロ圏) | 9月10日 利上げ | 2.65% |
| BOE(英国) | 9月17日 据え置き | 3.75% |
次回会合については、4中銀とも現時点で市場予想はまだ示されていません。9月の決定を受けて各中銀がどこまで引き締めを続けるのかは、今後の物価指標や要人発言から探っていく段階です。
金利差に目を向けると、ドル円の日米金利差は2.75%ptです。FRBの利上げで一時3.00%ptに広がったものの、2日後の日銀利上げで元に戻り、全体としては縮小傾向と整理できます。ポンド円は、BOEが据え置くなか日銀が利上げしたことで2.75%ptから2.50%ptへ縮まり、こちらも縮小傾向です。ポンド円が週足から4時間足まで下向きにそろっている背景には、この金利差の縮小も影を落としていると考えられます。ユーロドルはマイナス1.35%ptと米国側が高い状態で、ECBの利上げで一時差が縮まったものの、FRBの利上げで同じ幅に戻りました。
ドル円・ユーロドルを動かしている材料
今週の主役は米国債利回りでした。週半ばに発表された米国の9月PMI速報値や8月の新築住宅販売件数がそろって市場予想を上回り、米景気の底堅さが確認されたことで米国債利回りが大きく上昇。FRBの引き締め姿勢が続くとの見方や、原油高によるインフレ懸念も加わってドルは主要通貨に対して堅調に推移しました。ドル円はこの流れで158円台を回復し、25日の東京時間には一時159円台に乗せています。
ただ、ドル円はそこから反転しました。日米の財務相が電話会談で「円の過小評価は問題」との認識を確認したと伝わり、当局による円安是正への警戒から円の買い戻しが優勢に。さらに、米国とイランがホルムズ海峡の再開に向けた協議を進めているとの見方から原油が下落し、米長期金利が低下したこともドル売りを後押ししました。25日のニューヨーク市場では156円94銭まで下げ、157円台前半で週の取引を終えています。ドル高の地合いのなかでも、円だけは当局のけん制で別の動きをした一週間だったといえます。
ユーロドルは米金利上昇を背景としたドル買いに押され、1.13台まで水準を切り下げました。市場では今年の安値水準が徐々に意識されはじめており、1.13台半ばに控える買い注文を割り込むかどうかが目先の焦点です。ポンド円は円買いの流れも重なって208円台まで下落しました。
ゴールドは米国の実質金利の上昇が重しとなり、4,284ドル台で週を終えました。利息を生まない金にとって、金利上昇局面は保有コストの面で逆風になりやすく、今週はまさにその構図が表れた形です(金の値動きを左右する要因は金トレードの基本で解説しています)。ビットコインは84,165ドル台で推移しました。米国のビットコイン現物ETFへの資金流入が続いていることが下支えとなる一方、大手取引所からの資産流出や保有企業の株価低迷といった話題もあり、材料は強弱入り混じっています。
今週の主要経済指標
- 米9月PMI速報値(23日):製造業が58.7と予想の56.0を上回り、米国債利回り上昇のきっかけに
- 米8月新築住宅販売件数(24日):68.4万件と予想の61.7万件を上回り、米景気の底堅さを裏付け
- 米9月リッチモンド連銀製造業指数(22日):マイナス2と予想の2を下回ったものの、相場への影響は限定的
- 日米財務相の電話会談(25日):円の過小評価を問題視する認識を確認したと伝わり、ドル円反落の引き金に
- 米国・イランのホルムズ海峡を巡る協議:進展観測から原油が下落し、米長期金利の低下につながる
来週の重要経済指標
| 日時 | 国 | 指標名 | 重要度 | 予想 | 前回 |
|---|---|---|---|---|---|
| 09/29(火) 23:00 | US | JOLTS求人件数 | 高 | 7.23 | 7.271 |
| 09/30(水) 10:30 | CN | 国家統計局 製造業PMI | 高 | 50.1 | 49.8 |
| 09/30(水) 10:45 | CN | RatingDog 製造業PMI | 高 | 51.6 | 51.5 |
| 09/30(水) 21:30 | US | 個人所得(前月比) | 高 | 0.4 | 0.4 |
| 09/30(水) 21:30 | US | PCEコアデフレーター(前月比) | 高 | 0.3 | 0.2 |
| 09/30(水) 21:30 | US | 個人消費支出(前月比) | 高 | 0.8 | 0.2 |
| 09/30(水) 21:30 | US | GDP確報値(前期比年率) | 高 | 1.6 | 2.1 |
| 10/01(木) 08:50 | JP | 日銀短観 大企業製造業業況判断指数 | 高 | 25 | 22 |
| 10/01(木) 23:00 | US | ISM製造業景況指数 | 高 | 54.8 | 54.6 |
| 10/02(金) 18:00 | EU | 消費者物価指数 速報値(前年比) | 高 | 3.5 | 3.2 |
| 10/02(金) 21:30 | US | 非農業部門雇用者数 | 高 | 100 | 162 |
| 10/02(金) 21:30 | US | 失業率 | 高 | 4.2 | 4.1 |
来週のシナリオ
メインシナリオ:来週(9月28日〜10月2日)は米国の重要指標が週後半に集中します。まず9月30日のPCEコアデフレーター(前月比)は予想0.3%と前回の0.2%から伸びが高まる見込みで、FRBの利上げ後も物価の粘り強さが確認されれば、米金利とドルを再び押し上げる材料になり得ます。締めくくりは10月2日の米雇用統計で、非農業部門雇用者数は予想10.0万人と前回の16.2万人から鈍化、失業率は4.2%と前回4.1%からの上昇が見込まれています。ドル円は、米金利の上昇を支えにした底堅さと、当局の円安けん制による上値の重さがぶつかり合い、157円前後を挟んだ一進一退となる展開を基本に考えます。10月1日朝の日銀短観も、利上げ直後の日銀の次の一手を占ううえで注目です。
サブシナリオ:雇用統計が予想以上に弱く、米金利が大きく低下するようなら、ドル売りが広がる可能性があります。その場合、円買い警戒がくすぶるドル円は下げ幅が大きくなりやすく、日足で売られすぎ水準にあるユーロドルは反発に転じる展開も考えられます。反対に、PCEデフレーターや雇用統計が強い内容となれば、ドル円は再び159円方向を試す動きも想定されますが、その水準では当局の対応への警戒が一段と強まる点には注意が必要です。10月2日にはユーロ圏の消費者物価指数速報値(予想3.5%、前回3.2%)も控えており、ECBの追加利上げ観測を通じてユーロドルの方向感を左右しそうです。
まとめ
- 9月はECB・FRB・日銀が利上げ、BOEは据え置き。ドル円・ポンド円の金利差は縮小傾向に
- 強い米指標で米国債利回りが上昇しドル高が進む一方、ドル円は日米当局の円安けん制で159円台から反落し157円台で越週
- ユーロドル・ポンド円は4時間足で下降のパーフェクトオーダー、テクニカル面の総合評価も全時間軸で「売り」と見方が一致
- ビットコインは5資産で唯一の上昇基調、ゴールドは実質金利の上昇が重しに
- 来週はPCEデフレーター(9/30)と米雇用統計(10/2)が最大の焦点。ドル円は159円付近での当局の動きにも引き続き警戒が必要
このレポートを踏まえてトレードを始めたい方へ
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- 価格データはMT5(XS Fintech)を使用しており、日足は協定世界時(UTC)を基準に区切っています。TradingView等の他のチャートサービスや取引所とは表示タイムゾーンや参照する取引所が異なるため、数値が多少異なる場合があります。
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