FXトレードでの【ギャン理論】生涯勝率8割超!28のルールと使い方を紹介します。
ギャン理論とは? 生涯勝率8割超 の理論!
ギャン理論は、生涯勝率8割超と言われる凄腕トレーダーであるウィリアム・D・ギャンが自身のトレードをまとめた有名な相場理論であり、ダウ理論やエリオット波動理論と並び称される理論です。ギャンインジケーターはどのチャートでも搭載されているので、見たことはある、触ったことがあるという人もいるでしょう。FXだけでなく、株やその他の相場にも適用される理論です。
理論の内容は「相場観測」「予測法と建て玉法」「運用ルール」に大別できますが、聖書、占星術、古代神話などの思想をも含んでいるため、一般的に理解に及ぶものではありません。ギャン理論の中心になるのは「価格と時間の均衡」にありますので、それに焦点をあてて解説していきます。最後にトレーダーのバイブルといわれる勝率8割超を保った「28のトレードルール」についても触れますので、最後までご覧ください。
ギャンが生き抜いた「世界大恐慌」
ウィリアム・D・ギャンが相場で生きていた時代、まさに世界大恐慌が世界に起こった時です。約100年前に起こった深刻な世界大恐慌について、簡単に触れておきます。
1924年中頃から投資信託が流行し、投機を中心とした資金の流入により米国経済は上昇トレンド入り、29年までの5年間に株価は5倍に高騰。29年9月に調整局面となり暴落がありました。続く10月には「暗黒の木曜日」と呼ばれる大暴落。この米国株価暴落を皮切りにして世界中に波紋、世界大恐慌といわれるほどになりました。
ウォール街の靴磨きの少年が投資を勧めるようになり、不況が近いことを予言したケネディ氏…という有名な話もありますね。
「暗黒の木曜日」は、(wikipediaによると)ロシア貴族が米国銀行などに対して「預けていた財産を返還しろ」と訴訟を起こそうとしていたところから勃発しています。ロシア革命時期から不法に預けられていたとのことで、米としても困ったのではないでしょうか。世界では、国によって恐慌時期は違いますが、多くの国では1929年から第二次世界大戦が終わるまで約10年続きました。この頃の米国失業率は23%まで上昇。他では33%にまでなった国もあるようです。「雇用統計」には歴史があります。重要視されているわけですね。
ウィリアム・D・ギャンは1878年生まれ、1900年代前半にはトレーダーとして活躍していました。まさにその時代を生きた「怒涛のトレーダー人生」だったのではないかと想像できる人物です。
ギャンツールの使い方
MT4でギャンを使用するには、右の画像のとおり「挿入」部分にギャンがありますので、そこからツールを選択します。
複雑で難解なイメージがあるギャン理論ですが、相場の値動きは「自然科学の中にある振動の法則に則ったものである」と考え、価格の振動を厳密に調べればポイントを確定することができるという内容です。ポイントとはレジスタンス&サポート、または目標価格のことです。
基本は「価格が方向転換をするには、相応の時間がかかる(価格と時間の均衡)」という内容で、ウィリアム・D・ギャンはトレンドの周期を大切に考えていました。
価格が「1」に対して時間が「1」 ➡ 1×1=45°の角度にラインを引く。このラインが基本です。この45°のラインになった時に、長期トレンドが発生する確率がもっとも高いというものです。
イチ早くトレンドを掴む
下の画像はUSD/JPY2014年~2017年あたりの週足です。45°のラインは「ギャンライン」で引けますので、1×1はそれをもとにだいたい45°で引いています。 ここでみる限り、レジスタンスもサポートも効いていますし、45°のラインを割った〇の部分ではブレイクして大きく下がりました。
ギャンの考え方は「相場がどれだけ変動しても、一定のラインに収束する」という自然科学に則とった理論です。この内容はダウ理論でもエリオット波動理論でもいわれていることですね。
ギャンラインの45°は長期トレンドの発生を意味します。1点から伸ばすと45°のラインを引くことができます。45°の上に価格があれば上昇トレンド、下にあれば下降トレンド、クロスした場合にトレンドの終了という見方ができます。起点に迷う人もいると思いますが、特に決まりがないので、直近の高値・安値を選択するといいでしょう。
ギャンファン(ギャンアングルともいいます)は、上の画像のように決まった角度の上下4本ずつのラインを表示できます。時間1に対して、価格が1/8、1/4、1/3、1/2、1、2、3、4、8になるように配置されています。レジスタンス&サポート、また目標の目安として予測可能です。ギャンファンは「時間と価格に注目したトレンド転換を見極める手法」としてもっとも注目されています。ギャンインジケーターでは、このギャンファンが多く使用されています。
ギャングリッドは、右の画像のように、ひし形の範囲で価格が推移することが視覚的にわかるインジケーターです。ギャンラインを交差させることにより、予測しやすく工夫されているというものです。グリッドを引く場合も、45°になるようにするといいでしょう。
この他にも、ギャンスクエアという円を描くギャンもありますが、フィボナッチとは似ていても、異なる独特な考え方があるようです。
トレードスタイルによって、使いやすいものを選びましょう。
「価値ある28のルール」は現在でも大事な事柄です!
トレードで勝つために必要なものの一つに「自制心」があげられます。どんな時も冷静を保ち、最適な行動をとることが大事ですよね。トレードをするには「ルール作り」は必要なことの一つです。ウィリアム・D・ギャンが長い相場生活の中で守ったルールについて触れておきます。このルールがあったからこそ、生涯勝率8割を誇ることができたのではないでしょうか。株相場のことなので、FXとは感覚が違うところも少々ありますが、ほとんどは一致しています。
- 資金の1/10以上の損失がでるような掛け方はしない ➡ 資金は地道に増やしていく
- 毎回ストップロス(損切)を設定する ➡ リスク管理として重要
- 過剰な売買を避け、資金分配を心掛ける ➡ 冷静さを失ってはいけない
- トレーリングすることで資金を増やす ➡ 欲をかくより、確実に利益を積む
- トレンドの方向に逆らわない ➡ トレンドフォロー推奨
- 迷ったらトレードしない ➡ 休むも相場
- 揉み合いの相場は見送り、アクティブなマーケットのみ取引する ➡ レンジ相場は見送る
- 1銘柄に固執せず、複数の銘柄でリスク分散する ➡ リスクを考える
- 指値注文はせず、成り行き注文のみで取引する ➡ チャンスは皆狙っている
- 根拠なく手仕舞いしない ➡ 利益がのったからといって適当に利確しない
- トレードで儲けた資金は、別に分けて管理する ➡ 現金か? 福利か?
- スキャルピングはしない ➡ トレンドフォロー手法ではスキャルピングは妥当ではない
- ナンピンはしない ➡ 逆張りと同じことでルールに反する
- 焦らず、耐える ➡ 自分が描いたシナリオに従う。チャンスは今だけではない、など
- 小さな利益、大きな損失にならないようにする ➡ 損小利大
- ストップロス(損切)の設定はキャンセルしてはいけない ➡ 徹底させる
- 頻繁に売買し過ぎないようにする ➡ ここぞという時に取引する
- 空売りも有効に使いこなす ➡ 下落トレンドにも参戦する
- 値ごろ感で取引しない ➡ 小さな下げが大きな下げになるかもしれない
- ピラミッティングも有効に駆使する ➡ 買い増しはレジスタンス&サポートをブレイクしてから
- トレンドが有効な時だけピラミッティングする ➡ リスクが高い。トレンドが明確になってから
- ヘッジの両建てはするべきではない ➡ 原則は両建てをするなら損切するべき
- 根拠なく決済しない ➡ 徹底する
- 儲けたあとは、取引量を減らす ➡ 儲かった時は油断しがち
- 相場の天井・底を推測しない ➡ 常に状況に応じた判断をする
- 他人の意見に左右されることなく、自分で相場を研究する ➡ 自分自身のオリジナルを見つける
- 損失が出たあとは取引量を減らす ➡ うまくいかない時は、一度身を引くことも大事
- 間違ったエントリーと決済をしない ➡ ルールに従う
このルールは多くのトレーダーたちが参考にしています。ギャン理論を知らなかった人も、自分が作ったルールと一致する内容もあるのではないしょうか。
勝ち続けたトレーダー:まとめ
「負けることへの恐怖こそが、負ける元凶となる。負けを背負うことに耐えられないと、結局大きな負けを背負うか、または絶好のトレードチャンスを逃すことになる」これもまたウィリアム・D・ギャンが残した言葉ですが、トレード経験を重ねると、その言葉どおりだと思えます。こういう言葉が出てくるのは、ギャン自身も負けた苦しい経験があってこその言葉でしょう。それだけ、現実に活躍したトレーダーだからこその重い言葉です。
トレードで勝ちたいと思うのであれば、実際に勝っているトレーダーを手本にしてオリジナルを作りましょう。
トレードは大切な資金を使って取引するために、どうしても資金を「増やす」&「失う」ことは背中合わせなため、思考が邪魔をして思うようなトレードができなくなります。資金とメンタルを守るためにはルール作りはとても大切なので、ぜひ自分と照らし合わせて、必要なトレードルールを組み立ててみてはいかがでしょうか。